内容説明
「インターネットは世論を反映している」という世界観が、いまだに社会にはびこっている。ネットで目立つ言論や、それに対する反応は、氷山の一角として飛び出した存在であり、海面下にはその何万倍もの人々がいる……そんな固定観念は、まったくの誤りなのだ。また、ネットが社会をつなぎ、「新しい価値を創造する」というのも嘘である。
古色蒼然たる「ネット万能論」は害悪でしかない。本書は、「インターネットは無効である」ことを、さまざまな角度から点検していく。ネットユーザーの手前勝手な思い込みには疑問を呈し、ネットの声に必要以上に反応し、ありもしない価値を見出してしまう人々に対しては警鐘を鳴らすものである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
321
確かにネットってだけで万能感を得る人は多いけど、実社会に与える影響は微々たるものだとの論説。デマの下りは印象に残った。2015/07/03
harass
53
図書館本。題名の通りでネット文化が過剰に持ち上げられている/いたが実際にはそうでないと実例をあげて論じてある。そういうこと知ってたよというのは簡単だが、冷静に数字などの論拠をあげてあるのは感心した。ただのツールだということを自覚せよと。「現実は困難で複雑で理不尽である。しかしそれは、太古の昔から変わっていない。当然、インターネットによっても、その現実の複雑さと理不尽さは変わらない。」題名から適当に借りた本だが思いのほかよかった。ネット世論が「氷山の一角」というより「一つの亀の甲羅」という指摘。2016/06/20
おさむ
38
若手保守論客の著者は初読みでしたが、題名のまんまの内容でした(もう少しひねってもいいのに…)。個人的には首肯する部分が多かったです。所詮ネットは島宇宙で、多くのコンテンツを既存メディアに頼っている寄生の存在。AIの進化等から、ネット万能化論が幅を聞かせるなか「情報量は増えても世界は狭くなる」ということを個人は自覚する必要がありますね。2016/06/10
xtc1961ymo
11
ネット万能論者に冷や水を浴びせる書。ネットは一種の島宇宙、日本の場合は仕事馬鹿で残業が当たり前なので時間がない人が総じて多く、サイトを見るだけ(ROM)の比率が高く、自分で発信、書き込む人は少なく、書き込む人は極端な暇人で世の中に恨みを持つ無職同然の、人間以前の嫌われ者が多くそんな戯言をネットの総意と汲み取る方がどうかしてる。またニコニコ動画も、私も見る事はできるが、その内容のくだらなさからの深化が全然ないのでもう見るのは止めました。子供ならゲラゲラ見るだろうが。結局ネットに、期待するだけ無駄だと心した。2015/03/13
ざちょう
10
本書は表題の主張に至る根拠を、SNSの利用頻度などのデータを引用したり、選挙関連の事例を元にして何度も提示したもので、全体的に興味深い内容でした。 特にネット通販のアマゾンと物流の関係は分かりやすい事例だと思います。 現実社会とネットの対比で映画「マトリックス」や「アバター」を例に持ってきた部分は蛇足だったように思いますが。 ネットが日常生活を快適にしていることから優れているといえますが、盲目的に依存しきることは避けねば、と思います。 2015/05/17
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