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内容説明
「水に流す」とは、今まであったことを、さらりと忘れ去ってしまうことである―そう書き出した著者は、この日本人独特の心情・行動様式を、豊かな水資源を有し、稲作による共同体を形成した点に着目する。「清浄」を尊び、罪や穢れは「禊」で洗い流す。しかし国際化の波は、「水に流す」思想の問い直しを迫っている。『梅干しと日本刀』などの名著で知られる著者による、ユニークな日本人論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
98
「水に流す」とは、過去に拘らず、あげつらわず、責めず、忘れ、許容し、許すという日本人の行動様式で、およそ外国人には理解ができないそうだ。これは穏やかで優しい人間関係を維持するための知恵でもあった。◆日本の川は急流を活かした浄化作用のあるゴミ捨て場だった。河川の氾濫などで災害が起きやすい日本では、災害に慣れ、立ち直る身変わりの早さが「水に流す」という土壌を育んだ。◆「すみません」は水の流れに従順でなかった自分が悪いという考えから◆村のリーダーは集落のいざこざを丸く収める、つまり「水に流させる」役目を担う。2019/07/16
レーモン
3
世界の人は水に流さないのか?日本人って水に流したがるのか?そうなのかなぁ?と思いながら読みました。なんとなく納得させられますが、そうでない典型例として忠臣蔵がありますよね。つまり、そういわれればそうかもって程度じゃないかなぁと思いました。でも発想は面白いなぁと思います。2015/08/16