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内容説明
今世紀最大の経営資源として注目されるパーソナルデータ。IT化が進む社会では、個人情報の活用が企業の成否を決定する。しかし、消費者の権利を侵害しかねない情報の活用には細心の注意が必要だ。欧米の先端事例から、各企業が抱える問題点、個人の対応法まで、IT社会で生きていくには不可欠の情報を解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
94
かつてグーグルのCEOだったリック・シュミットは『我々はあなたがどこにいるか知っている。どこにいたかも知っている。あなたが考えていることもおおよそ把握している』と語った。アンドロイドのスマホの場合、ユーザーが位置情報の収集を許可すれば、定期的に居場所がグーグルに送信される。我々は利便性と引き換えに、自分の位置情報、関心事、交友関係、購買履歴といったパーソナルデータを企業に差し出しているのだ。◆QSなどにより、利用者も自分のデータを収集できる。ユーザーから、それを得るには信頼できる企業と見られる必要がある。2019/07/05
壱萬弐仟縁
44
PD は年齢、性別、職業、年収、趣味、関心事、車、購買履歴、使用履歴、健康情報、遺伝子情報など(vi頁)。忙しい人は各章まとめから。ネット企業、データブローカー産業への抗議を込めて自分のデータを売り出す人も現れた(125頁)。買ってみろとの挑発か? NPO 日本ネットワークセキュリティ協会の図で、基本情報は個人情報保護法の個人特定基本4情報、プライバシー情報は、漏洩時、他人に知られては精神的苦痛を受ける情報、経済的情報は利用することで個人資産に直接影響する情報とする(112頁)。2015/10/08
hatayan
36
2015年刊。IoTの時代が迫るなか、データを事業者に渡さずに暮らすことはもはや困難。だからこそ、データを自分の管理下で安全に活用できる「情報銀行」のような仕組みが必要と提案します。 2019年、就職活動の内定辞退者の予測データを企業が学生に無断で売っていた事案で見たように、パーソナルデータは企業にとっては「通貨」になりました。 GoogleやFacebookを使うとき、私たちは属性データや検索履歴、位置情報などのパーソナルデータで利用料を払っていると認識を改めるべきとの意見は腑に落ちるところがあります。2019/08/30
犬こ
23
Google、SNSもそうだけれども、一番パーソナルデータを持っているのは携帯キャリア会社なんじゃ…と。ここで読者メータにアクセスし、読書好きとマーキングされた私のデータは、何十、何百社?に渡るんだろう(苦笑)今やパーソナルデータは、第二の石油です。2016/01/16
おさむ
22
現代人必読の書かもしれません。冒頭、パーソナルデータは「新しい石油」とあるとおり、カネのなる樹を巡り、多くの企業があの手この手でデータ取得を目指す実態が浮き彫りに。遺伝子を含む生体情報までもが対象となる中、消費者は如何に自分の情報を主体的に利活用していくかが求められそうです。政府の踏ん張りにも期待したいところ。星新一さんがこの現状を40年以上前に予言していたのは驚きでした。2015/05/29