祥伝社文庫<br> 屋上物語

個数:1
紙書籍版価格
¥649
  • 電子書籍
  • Reader

祥伝社文庫
屋上物語

  • 著者名:北森鴻
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 祥伝社(2015/03発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396331061

ファイル: /

内容説明

さまざまな人たちが集まるそのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪……。だが、ここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼んでさくら婆(ババ)ァ、讃岐うどん店の女主人である。今日もPHSの忘れ物が一つ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ。さくら婆ァの手が空いた時間帯に、まるで何かをつたえたいかのように……。早世したミステリー界の異才が残した珠玉の連作「屋上」推理、熱いリクエストに応えて待望の電子化!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

102
デパートの屋上にあるもの(お稲荷様、観覧車、ピンボールマシンなど)が第三者の語り手となり、そこでうどん店を営むさくら婆ァが主人公となり様々な事件が起きる連作短編集となっています。さらにやくざ者と高校生がからみます。内容的には殺人事件などがあったりでかなりハード的な内容です。主人公たちにも何かいわくがありそうですがそこが明らかにされません。何度目かの再読ですが、若干不満が残りました。2024/04/11

大阪魂

63
舞台はデパートの屋上。語り手は屋上にあるお地蔵さんとかお稲荷さんの狐とかベンチとか。ミステリーを解決する主人公は屋上のうどん屋の名物店主「さくら婆」…ってむっちゃ変わった設定の連作短編集!でもしっかりミステリーしてた!デパート店長の自殺の裏には…とか、バグパイプ吹いてた男の失踪の真実は…とか、人間の悪意が絡んで嫌な終わり方する話も多かったし、さくら婆が最後どっかいってしもたんも寂しかったけど、それはそれで北森さんらしかったかな…でもまた一つ、北森さんの本読み終わってしもた…残りもうちょっとって寂しいわあ…2019/11/23

すたこ

43
★★★デパートの屋上を舞台に事件を解決してゆく連続短編集。構成はお見事で、話の流れは面白いけれど、いくらなんでもさくらさんの勘が良すぎて…。事件一つ一つも簡単に解決するけど、重苦しくて切なくて後味が悪い。モノたちの語りはとても良かった。そして、うどんが美味しそう(笑)2015/12/10

カナン

41
「読後感最高!!のハートフルストーリー」と帯に書かれていた、が、「どこがだ!」と突っ込みたくなる、苦い後味が拭い切れない寂しい連作だった。北森作品で胸にふっと透明過ぎる風が吹き抜けたかのような哀しみが残らない作品なんて逆に読んだことがないんだよ!(褒めてます) 今はほとんど見ることもなくなったデパートの屋上を舞台に繋がっていく人と人の細い縁。それは尊くて、残酷で、虚しくて、どうしようもなく人間臭い。彼らを見守る語り手達が全て屋上の人外であることが、一層人間が人間として生きていくことの厄介さを物語っている。2023/03/07

金吾

39
ピリピリしていない雰囲気ながら、パンチの効いた話もある話でした。さくら婆ァ、杜田、タクのトリオがなかなか良かったです。2024/01/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/510564
  • ご注意事項

最近チェックした商品