内容説明
直木賞作家が描く、躊躇しない最強の女探偵!ジムでのスパーリングでひと汗かいたわたしが事務所に帰ると、新たな依頼人が待っていた。元教え子が亡くなった事件を調べてほしいという――。調べていくと、鮮やかな青い蛇のタトゥーを彫った男の影がちらつきはじめる。なぜか心惹かれる男、「青蛇」と関わった最初の事件だった。亡き夫の遺した探偵事務所を舞台に、一筋縄ではいかない依頼の数々をクールに片付けていく、芦原すなお渾身の女性私立探偵譚。『月夜の晩に火事がいて』の山浦歩との最初の出会い「猫とアリス」ほか、青蛇を巡る哀しい事件の顛末を全5編で贈る、シリーズ第2弾。/解説=中辻理夫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
106
本作を読み終えた直後、アニメの『どろろ』を観たので、青蛇くんと百鬼丸がかぶってしまった。天賦の才と魅力に恵まれながら、自分の為に生きられなかった青蛇。里子の青蛇への思いと、樟島の仁平への思いは重なっているように思えた。2019/03/26
papako
63
勢いで。この巻では、それぞれの話が少しづつ絡んで進む連作になっている。表題作はふーちゃんとの出会いが描かれるので、少し過去の話なのかも。そして青蛇という青年が全ての事件と里子さんに絡んでいる。(変ないみでなく)最初の三編はキレの良さが際立っていましたが、ラストの二編では作者の特徴的なバカにしたような、茶化すような会話が増えてきて、作者、たまらなくなった?それでも事件の落とし方など、やっぱりいい感じ。ぜひ、続編を希望します。ふーちゃんの作品は様子見ですね。2017/02/16
はつばあば
55
女性が格闘技を学んで私立探偵なんて最高に私のお気に入り。蛇は身の毛がよだつほど嫌いだが、登場の青蛇が里子を助けた辺りから、青蛇と絡んでのシリーズが出ないかと芦原さんに切望したかった。「雪のマズルカ」がまだ手に入らないのでこちらを先読みしたが、「男は強い。女は庇護するもの。」との概念を芦原さんの年代で打ち破るのは大変だったろうと思うが「ミミズクとオリーブ」シリーズでも「奥さん」に頼る男どもがなんとも可愛い。青蛇も良かった。今年文庫になったのだから芦原さん、まだ書けます。このシリーズもう少し続けて下さいな。2015/05/10
すい
55
私立探偵笹野里子シリーズ第2弾。ハードボイルドはこれまでにあまり読んでこなかったジャンルだけれど、面白かった。悪者はとことん悪く、正義は必ず勝つという従来のミステリとは幾分違う設定にも全然拒否反応が出なかったのは、悪の筈の青蛇の魅力に他ならない。最後は里子と一緒に「もうやめて」と必死で青蛇を止めたいと思ったほどだ。所々に入る遠藤警部やジェイソンとの会話で肩の力が抜けるのも良い。これはオススメ!2015/05/04
ゆきちん
53
「雪のマズルカ」続編。連作短編5つ。女性探偵笹野里子のハードボイルド。読み手が慣れたのかマイルドになり、ユーモア度がアップ。面白く読みやすさが増した。持ち込まれる事件の影に青い蛇のタトゥーのイケメン。これが今回の横串。ゆる〜い同業のふーちゃん、恋する遠藤警部、そしてクールな探偵里子、それぞれのセリフ回しが絶妙でエゲツないことやってても面白いです。続編出たら読みたいです。2017/03/29
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