内容説明
政治思想史の第一人者が「政治の本質」を語り、「人類にとって政治とは何か」を考察する。政治について深く、率直に議論したソクラテスやマルクス・アウレリウスら古代ギリシア・ローマの哲人たち、中世における「聖」と「俗」の長い抗争、教皇至上権とトマス・アクィナスの政治論、ルターの宗教改革、マキアヴェッリの権力論、さらに宗教戦争を経て「政治の解体」が訪れ、中世が終幕をむかえるまでを論じる。
目次
よみがえる古代思想 「哲学と政治」講義I
学術文庫版まえがき
第一章 ソクラテス以前とソクラテス──人間にとっての政治
第二章 プラトン──哲人王の意味するもの
第三章 アリストテレス──ポリスと人間の諸相
第四章 ヘレニズム諸派の時代へ──大帝国の出現と脱ポリスの哲学
第五章 古代ローマの哲学と政治論──政治の意味と無意味
宗教と権力の政治 「哲学と政治」講義II
学術文庫版まえがき
第一章 教皇至上権──信仰共同体の上に築かれた権力
第二章 トマス・アクィナスと政治論──信仰共同体の分節化
第三章 教会論の再構築と宗教改革──さまざまな宗教改革
第四章 マキアヴェッリと権力の問題──政治における強制
第五章 宗教戦争と政治の解体──主権論と中世の終幕