講談社現代新書<br> 日本海軍と政治

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講談社現代新書
日本海軍と政治

  • 著者名:手嶋泰伸【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 講談社(2015/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062882996

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内容説明

海軍の太平洋戦争への責任は陸軍に比して軽かったのか? 明治憲法下において政府・議会と並ぶ国家の主柱であったにもかかわらず、その責任を十分に果たすことのできなかった海軍の「政治責任」を、「不作為の罪」をキーワードに検証する。これまで顧みられることの少なかった「海軍と政治」の問題をはじめて正面から問う問題の書。(講談社現代新書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

27
海軍はアメリカとの戦争を計画し、準備していたにもかかわらず、アメリカが当時は一大産油国だったために、戦争に必要な石油をアメリカからの輸入に頼らざるを得ないという矛盾を抱えていた/やっぱりここに尽きちゃう2019/03/07

skunk_c

24
再読。笠原十九司の「大山事件海軍陰謀説」のあたりについて再確認してみたが、本書では軍令部は当初から中国南部(海軍の所轄地域)への陸軍派遣を主張、これに対し海相の米内光政は当初政府と同様不拡大方針だったが、出雲への中国軍空爆を受けた後強硬な南部は兵主張に変わったとする。はたして軍令部の考えを実行するために大山事件が策謀されたのかは本書では不明。可能性はなきにしもあらずと言ったところか。ただ、本書のひとつの立場である、海軍の政治との関わりは予算獲得が第一との視点は、「大山事件陰謀説」につながると言える。2019/01/19

ロッキーのパパ

14
著者の言いたいことはよく理解できた。ただ、その一点にこだわりすぎている気がして、読んでいて広がりを感じなかったことが残念だ。旧日本海軍の通史として読むにはちょうどいいかも。2015/03/17

中年サラリーマン

14
人間自体が戦力である陸軍は徴兵が重要だ。そのため原資となる国民世論の動向は彼らにとって重要でありそれが陸軍の政治力を強化した一因ともなる。海軍は違う。戦艦を動かさなければならない。それには高度な専門知識が必要でその習得にも時間がかかり、それが機能別で合理的な集団組織を生み出す要因に。さらには戦艦には金がかかる。海軍にとっては世論の動向よりも予算の分配の方が気がかかる。このように見える景色の違う陸海軍が日本をどうしようとし、どう戦争をはじめ、またそれらを決定した両者の思考形式の違いとは何かを論じる良書。2015/03/15

MUNEKAZ

13
「軍人は政治に容喙せず」というと立派に聞こえるが、その内実は自らの専門分野に閉じこもり、責任回避に努めているだけなのではという見方が印象的。海軍の主観では軍事と政治を分け、理性的に振舞っているつもりでも、実際には「何もしない」ことで事態を悪化させている状況は、時に喜劇的に感じるほど。軍隊といえども一つの官僚組織であり、その第一は省益と予算獲得にあるというのが如実にわかる。対米戦という自らが主役の戦争でも、大局的な見地ではなく、官僚的な思考で動いている様子(特に米内光政に手厳しい)には辛いものがある。2021/07/02

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