内容説明
春秋末期の衛国。小柄な十五歳の少年・小旋風(しょうせんぷう)は、盗掘を生業とする養父に育てられた。あるとき彼は、墳墓の棺の中から華麗な琴を発見するが、養父は落盤事故で死んでしまう。小旋風は琴を売ることで貧困から脱し、のし上がろうと考える。彼の野心はやがて、衛国全体を巻き込んでいく。小旋風は自分の唯一の武器である言葉だけを使って、大金を手に入れることができるのか――。第9回小説現代長編新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えも
25
舞台は中国、春秋時代。墓を荒らして古い琴を手に入れた貧しい少年、小旋風と碧眼の女性楽士、涓涓による冒険の日々▼小旋風の口の上手さと度胸、涓涓の神秘と芯の強さ、そして二人のピュアな魂と、琴を通じて共鳴する心。悠久の大国のスケール感と相まって、とても爽やかな風を感じたお薦めの良作です▼デビュー作とのこと。2作目が楽しみだなあ☆2015/01/26
星落秋風五丈原
21
安全運転のデビュー作。ああこれはこうなるだろうな、という予測を外れない展開。古代中国が舞台。2015/02/03
いちろく
17
舞台は、春秋時代の衛国。盗掘を生業とする主人公、小旋風が棺の中から琴を見つけた事から動き始める物語。琴を巡り、様々な人間の思惑が絡む展開は、歴史小説というよりも展開の早い人間ドラマであり、主人公の成長物語の印象が残る。 2015/02/28
うめ
16
題名と装丁に惹かれて手に取った。内容は軽いけれども読みやすい。古代中国の雰囲気が好きな人は好きだと思う。2018/02/19
みお
11
これは面白かった。盗掘者である養父の下で、死と隣り合わせの危険な仕事をさせられていた、小旋風。その養父の死をきっかけに、墓から盗み出した琴で一攫千金を企むが、思わぬ政治的な陰謀に巻き込まる。人との出会い、苦難を乗り越えていく中で、少年が成長していく物語。不幸な生い立ちの割に、明るく飄々とした小旋風は小気味良く、読んでいて楽しい。琴に惹かれて現れた天才的な奏者、涓涓。分かり合える存在がいるという幸せ。読後感も良かった。今後も期待したい作家さんとなりました。2015/02/01
-
- 電子書籍
- 俺の家が魔力スポットだった件 ~住んで…
-
- 電子書籍
- ナンバカ 第112話【タテヨミ】
-
- 電子書籍
- 専門基礎ライブラリー 新編基礎化学 第…
-
- 電子書籍
- 嘘つきな秘書に口づけを【分冊】 9巻 …
-
- 電子書籍
- 双星の陰陽師 2 ジャンプコミックスD…