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内容説明
いまや資本主義は、低成長とパイの奪い合い、格差拡大という三つの矛盾を抱え、完全に行き詰まった。特に日本では、長時間死ぬほど働いても給料が上がらず、資本家による労働者からの露骨な搾取が蔓延(はびこ)っている。しかし日本人はそれに文句も言わず、賃上げ要求のデモやストライキをすることもない。なぜ日本の労働者はかくも鈍感なのか。経営者の多くも儲かっていない中、富はどこに吸い込まれているのか。日本資本主義の特殊性を謎解きし、搾取の構造から抜け出す方法を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
22
著者の師匠はトービンのqのトービンとモディリアーニだったという(共にノーベル経済学賞受賞5頁)。インフレ目標が最重要(32頁~)。日銀は金融緩和、量的緩和政策を図ってアベノミクスで景気回復した(33頁)と自信を深めている。が、地方創生も端緒に過ぎず、これから地方経済、非正規家計も潤うのか、甚だ疑問ではある。その非正規雇用が激増した理由は、デフレスパイラルの説明で置き換えている(62頁~)。全労働者の4割を占めるに至った非正規の単価が1・5~2倍に増えないと景気回復などあり得ないと思うが。2015/10/20
メタボン
19
☆☆☆★ この書が出た当時はアベノミクス効果も実感でき、景気回復への期待もつのっていた。しかしマイナス金利突入、日銀のさらなる金融緩和継続にも関わらず日本経済はさえない状況が続いている。果たして何が有効な景気対策なのか、混迷の中にあるのが、現実。2016/08/20
ばしこ♪
9
分かりやすく書いてある。急激なインフレは経済を不安定にさせていくが、緩やかなインフレを継続していくことで必ず日本経済はより発展できるはず。そのためにも、消費再増税は廃案にし、法人税率を下げてほしいと切に願う。2015/05/09
BluePlanet
8
★4.8 2015年1月30日発行。素晴らしい本に巡りあった。アベノミクスを解りやすく解説すると共に、これまでの経済学者やマスコミの誤りを大胆に実名入りで批判。これぞ本物の経済学者だ。大勢の日本国民に読んでもらいたい。特に経済を学ぶ学生、官僚、政治家、マスコミ人の必読書。こういう方が内閣官房参与にいてくれると、日本経済も安泰なのだが。それにしてもこれ迄250年に亘る経済学に新たな糸口を見つけ出し、自論を展開。このまま日本経済が復活することを祈る。それにしてもこれまでの経済学者、日銀総裁の罪は重いと思った。2015/05/17
本を読むゴリ
7
私にとってハードルが高かったけど、久しぶりにわかりやすい経済本でした。 アベノミクスの批判ばかりが目立つメディアですが、反対側では、こんな人たちが政府を支えているんですね。2015/03/05