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内容説明
アメリカ海軍特殊部隊SEAL所属の狙撃手クリス・カイル。彼はイラク戦争に四度にわたり従軍して、160人の敵を仕留めた。これは米軍史上、狙撃成功の最高記録である。守られた味方からは「伝説(レジェンド)」と尊敬され、敵軍からは「悪魔」と恐れられたカイルは、はたして英雄なのか? 殺人者なのか? 本書は、そのカイルが、みずからの歩みと戦争や家族に対する想いを綴る真実の記録である。クリント・イーストウッド監督映画原作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
80
イラクに従軍した元SEALS狙撃手の回顧録。非公式で255名の敵兵士を射殺した経歴を詳細に描写し、家庭での父親、市民としての自分を分析した告白を交えたドキュメンタリーで大変に読みごたえがある。本書発売後に著者が暴漢に命を奪われなければ、更に深みのある物語を読めたと思うと慚愧にたえません。暴力と平和の距離感を考えさせる良書でした。2021/10/17
nakanaka
69
アメリカ海軍特殊部隊SEALのスナイパーで狙撃成功最高記録を持つクリス・カイルのノンフィクション。極めて特殊な生涯を送った男の話でした。淡々と戦場での日々を語っている印象ですがちょっと想像を絶します。この世の中に絶対的な正義も悪も無いのではないかと感じました。そんな中、妻・タヤとの関係性が印象的でした。いつ死んでもおかしくない環境にいる夫、そんな場所に自ら向かう夫、将来への不安など、彼女の戦いもまた相当なものでした。退役した後に悲劇が起きるわけですがその出来事がさらに彼を特別な存在にしている気もします。2018/03/16
Hitoshi Mita
62
読後とても複雑な気持ちになった。映画を先に見たがまだ映画の方が人として人間のあるべき姿と兵士として、戦場で人を殺すその間の葛藤が見えたが、本書を読むと、そこには敵を殺すことに躊躇いが感じられないし、あまつさえ殺す事に快感を感じてるのではと思わずにはいられなかった。僕が日本人だからか、アメリカの兵士とはこうなのかと思ってしまう。とても恐ろしく、この考えが全てなら、何故アメリカがテロの標的にされるのかが見えてくる様に感じる。その考えは傲慢にしか思えない。敵といえども人間の命を奪う。その命は軽くないはずなのに。2015/03/19
Panzer Leader
56
[第65回海外作品読書会(6月24&25日)]イラン戦争に従軍したSEAL隊員の自伝。主人公の思想・考え方・行動は戦場で生き延びるためには必要な事とは理解できるが、その全てには賛同できない。淡々と描かれているのに読み終わるとどんよりとした気分になる。映画は未聴。2016/06/30
姉勤
52
イラク戦争時、伝説的勲を上げた狙撃手の自書伝。特殊部隊、スナイパーというイメージから、マシーンのような人格を予想していたが、典型的ステロタイプなヤンキー(古語)で、モノラルな正義感、喜怒哀楽と自己主張の強い人間臭いキャラクターだった。その人間臭さが癖になるか鼻に突くかは、好みの分かれるところ。ベストセラーらしいが、例えばセクション外の日報を延々読んでいる気分だった。銃器やアメリカ軍の知識は増えた。2015/06/11
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