内容説明
時は室町。足利幕府の体制は、大名家の権力争いで大きく揺らいでいた。8代将軍義政は、弟の義尋を次期将軍に指名するが、義政の妻・富子に長男が誕生し、後継者問題が勃発。有力大名を巻き込み、武力抗争へと発展する。敵と味方が相乱れ、京の町を焼き尽くした「応仁の乱」。11年続いた乱の真相を、義政、富子など、当時の重要人物の視点でスリリングに描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
29
ミステリ的エンタメ要素の強い作品であったとしても、日本史上最悪を争うような足利義政をいくら擁護しても擁護しきれないわけでwむりーー!って感じ。生まれる場所と生まれる地位を間違った悲劇ではあるけれど。2015/04/01
Bibliobibuli
24
呉座 勇一氏著「応仁の乱」と並行して、読んでみました。応仁の乱の真相を理解するには、まだまだ勉強不足ですが、本書で取り上げた4人の主人公の生きざま、考え方が何となくわかったような気がしました(4者とも、とても共感できるものではありませんが、、、)。2017/11/16
黒猫
21
応仁の乱。今年は流行りましたね!しかし、ちゃんと理解出来ないのが応仁の乱。最初は将軍の後継者争いに、細川、斯波、畠山の兄弟争いや相続跡目争いが含まれ、だんだん「アレレレ( ̄▽ ̄;)」状態に。著者の目線で小説に入り込んで行こう。すると、応仁の乱がわかる!なぜなら、覚えるより、応仁の乱の中に入って行かざるを得なくなるからだ。足利義視。日野富子、細川勝元、足利義政。この4人から見た応仁の乱。特に義視から見た応仁の乱は義視に哀愁が湧くのだ!最後の章の義政が本当なら化け物ですね。魔将軍からの続きで読むとベスト!2017/12/31
Porco
20
応仁の乱を、足利義視、日野富子、細川勝元、そして足利義政を代弁する老爺の、4人の視点から描く小説。第1章の義視視点ではオーソドックスな話かと思いきや、徐々に面白くなって、最後の義政視点で大いなるネタバレ(謎解き)がありました。2018/02/27
けやき
18
足利義観、日野富子、細川勝元、足利義政それぞれの視点から応仁の乱を描いた作品。最期に「ようやく、仕上げ、なった、ようじゃ」と語るまで韜晦していた義政の人物像がスゴい!どことなく山田風太郎の短編「陰萎将軍伝」の徳川家定を思わせる。2015/10/29