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内容説明
台湾の民主化を成し遂げ、哲人政治家と称される著者は、台湾人は今こそ「日本精神」を顧みなければいけないと説く。日本統治時代の日本人が持っていたとされる「誠実」「勤勉」「奉公」「遵法」などを胸に、台湾との統一併合をめざす中国と対峙せよと語るのだ。ベストセラー『台湾の主張』から15年、92歳になった著者が、ここに新たな「魂の直言」を放つ。新渡戸稲造や後藤新平からの影響、農業経済学者としての活躍、台湾総統としての孤独、中国の軍事膨張に対して示した毅然たる姿勢……。そして、新たな民主化への道を歩み始めた台湾と、日本の今後を見据え、東アジアの平和のために進むべき道を説く。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
40
今、かしましい台湾問題、その基本が知れる良書。著者の李 登輝氏 は、政治家で台湾第4代総統、「台湾民主化の父」と呼ばれる。農業経済学者、宣教師。コーネル大学農業経済学博士、等。プロスタント・長老派、1923年生(私の父と同年)、2020年没の長寿の人。「22歳まで日本人だった」の言の通り、日本の統治下の台湾生まれ、京都帝大を卒業、学徒出陣で日本陸軍軍歴もある。本書を読む限り「日本精神」の良質な部分を継承する方。日本人以上に日本人的な側面を持っていて、氏の政治理念や精神は今の私たちのお手本になる。2022/01/03
ヒデミン@もも
40
自分の中で靖国神社参拝に対する気持ちが変わった。歳をとるにつれて戦争で日本の軍人として亡くなったお兄さんを慕う気持ちがどんどん大きくなるという李さん。2016/03/03
くものすけ
13
李登輝元総統の人間味溢れる一面が垣間見られる内容です。氏の幼少期に登った(眺めた)という台北近郊の山、観音山には、台湾滞在時登る機会が無く、登っていないことは残念。故郷の淡水は風光明媚な地域で、有名なゴルフ場があり何度か訪問したものの、その時期李登輝の名前すら知らなかったは残念。また、現在の国立台湾師範大学の前身は台北高等学校(元総統も通われた)とありました。一方、戦争に備えしっかりした軍備は必須という、また、日本憲法9条も改憲する必要があるとのご意見等々…色々参考になる内容が多かった。2025/06/18
Sakie
13
2016年、蔡英文が総統に選ばれる直前の著。台湾の戦後史と、台湾という国家の形態、日本との関係について。50年間の統治という名の占領をしでかした日本を、好意的に扱ってくれる台湾人は少なくない。"犬"の後に"豚"が来たから相対的に評価が上がったのもあろうが、それだけじゃない、それはいったい何だろうと考え続けている。李登輝は新渡戸稲造の産業振興と八田與一の治水事業、後藤新平の統治運営改革が台湾を底上げしたと評している。その李登輝の政治的手腕、心理的誘導による部分は大きいと察せられるが、それだけが真実ではない。2022/10/03
スパイク
13
2015年出版。今年御年96歳になられた。非暴力非政変で独裁政権を終わらせた、政治史に例を見ない偉業のわりに、民主民主言う人たちに何故か取り上げない、私の最も敬愛する政治家の自伝。何故中国国民党に入ったのか、何故民主化が成し遂げられたのか、謎だらけでした。日本時代のことは知っていたが、台湾大学教授だったことは恥ずかしながら知らなかった。蒋経国のことは意外に評価している。経済にも明るくて驚いた。馬英九は当事者として当然だが、それより菅直人に対する強い怒りを感じた。本当に申し訳ない。「台湾体験」「新台湾人」2019/02/22