- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
松下幸之助ほど人間について深く思索し、それを経営に活かした人物はいない。「人間とは何か」という命題は東西古今を問わず、哲学者たちが挑んできた究極のテーマであるが、本書は経営者である著者が、20年以上の思索と人生経験から導き出した一つの解答である。本書の制作に際し、半年の間に60数回にも及ぶゲラ(校正刷り)の検討がなされた。最後の校閲が終わったとき著者は、「自分はこれまでいろいろなことを考え、話してきたが、結局このことが言いたかったのだ。自分の考え方の根本はこれに尽きる」と真情を吐露したという。宇宙の本質から始まり、宇宙と人間との関係、人間の使命へと展開していく著者の思索の根幹は「人間は万物の王者である」ということである。そこから誰もが磨けば光るダイヤモンドであるという人間尊重の精神が生まれ、一方で王者としての大きな責任も生じるのである。松下経営の真髄を知るための必読書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
江口 浩平@教育委員会
23
【生き方】執行草舟「悲願へ」の中でぜひ熟読していただきたいと紹介されており、手に取った一冊。「(人間が)偉大な本質を発揮していく上で大事なことは衆知を集めるということ」と言いながら、元来日本は八百万の神が相談する古事記に始まり、聖徳太子の十七条の憲法、明治政府の五箇条の御誓文に至るまで「衆知を集めて事を決する」という伝統があるのだという話が興味深かった。互いの知恵を、私利私欲を越えて日本を良くするためというただ一点で集めることができるならば、議論も有意義なものになるだろうと、確かにそう思う。2019/04/28
あまね
4
40年前に出版されたとは思えないほど、2015年に生きる私にも頷くことが多く腑に落ちました。『よりよき共同生活を生み出すために政治があり、宗教がある。経済、教育、芸術、道徳、思想もしかり。決して政治のために、経済のために人間があるわけではない。』松下政経塾出身の政治家の先生方に今こそ声を大にして、学んでこられたことを訴えていただきたいだす。2015/09/23
hinotake0117
1
先日、江口克彦氏の『成功の条件』を読み、この編纂にかなりの思い入れを持って取り組まれていたのを知り改めて。 宇宙の理は生成発展。王者としての人間が歩むべきはありのままを受け入れ、適切に処遇し、感謝の気持ちを持って衆知を集め生きる。 言葉は平易ながら深い。 https://t.co/2ri4WRo7yy2021/11/06
yutaka
0
松下幸之助が考えた新しい人間観の提唱と人間道。人間は万物を支配活用する王者としての本質、天命を発揮するため知の融合と衆知を発揮する人間観を提唱。人間がその本質を発揮する人間道では、礼と衆知及び容認を持って、物事に対処する事が必要。また、共同生活の実践は自由と秩序に生成発展も必要。2015/05/09
Kazunobu Uchiyama
0
キーワードは、自由、秩序、生成発展。 認容、処遇、調和共栄、衆知2015/02/10