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内容説明
高度成長期に大量に造られたコンクリート構造物は、建造後40年以上経とうとしているが、本当に安全なのか?アメリカでは1930年代に数多く造られたインフラが30~40年後に次々と崩壊し「荒廃するアメリカ」と呼ばれた。日本でも点検を怠ればその轍(てつ)を踏む恐れがあるが、なんと法律では点検は義務化されていないのだ。本書はコンクリート工学の専門家が、新石器時代まで遡ってコンクリートの歴史をひもときつつ、中性化やアリカリシリカ反応など鉄筋コンクリートの「病因」を解説し警鐘を鳴らす。特に塩害は要注意で、海岸に建てられた鉄筋コンクリート構造物の寿命は50年とも推測される。これらの危機に備えるべく、本書は維持管理のための「コンクリートドクター」の配備を提案する。さらに、JR東海の大規模改修や首都高速道路の大規模修繕についても取り上げる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
12
最近、コンクリートに興味を持てるようになり、本の内容もしっかり理解できるようになってきた。もっとも誰にでも読みやすく書かれている本であり、専門家向けの本ではない。この本では、内部の鉄筋の腐食(塩害、中性化)とコンクリート自身が痛む(アルカリシリカ反応、化学的侵食、凍害)に分けて解説されており、理解しやすい。社会インフラを支えているのが、コンクリートであり、腐食は、インフラ維持での大きな課題である。特に下水道については、腐食も早く、道路の陥没など大きな事故に繋がることが危惧されており、専門的な知見と感じた。2015/06/10
Ray
10
【図書館】昨今の事象も取り上げているコンクリート構造物に関する新書。コンクリートのメカニズムについても割と専門的なことまでわかりやすく書かれている(と思っているのは知識あるからかもしれませんが)また下水道施設についても言及している点が興味深い。世界最高峰を誇る日本の上下水道技術も維持管理、改修に問題を抱えているということは、あんまり世の中では話題になってないのは事実。とりあえず「コンクリートから人へ」とかふざけたことはもう言わないでいただきたい。2013/11/09
トールパパ
9
土木技術者にとっては特に目新しい内容ではないが、筆者も書いているように、土木屋以外の一般の人達に読んでもらい、あらゆるインフラが作って終わりではなく、お金をかけてメンテナンスする必要があることを認識して欲しい。特に自治体の首長や財政担当には読んで欲しい。下水道技術者として、ここに書いてあることも、まだ良い方であり、下水道の置かれている現状をもっと世間にアピールする必要があると痛感する。2014/04/03
ふくみみ
8
トンネルのコンクリート崩落は恐ろしい事故だった。コンクリートの特性や水や塩害などコンクリートを浸食し、脆くする要因が色々あることはわかったが、建築時にわかっていなかったことが問題として浮上する繰り返しで技術の進歩があり、今どうなっているかが良くわからなかった。崩落事故のあとで一通り再検査したんじゃなかったっけ?なんにつけてもインフラの見直しのコストを国や自身で見積もっておかないといけないのだな。2015/02/05
ののたま
4
前半のコンクリートの仕組み、維持管理はためになった。 後半以降ところどころ挟まれる民主党政権批判や、女子学生への視線が気になる。 2024/04/03
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