新潮文庫<br> わたしが出会った殺人者たち

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新潮文庫
わたしが出会った殺人者たち

  • 著者名:佐木隆三【著】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • 新潮社(2015/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101315027

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内容説明

犯罪事件を取材して半世紀。幾多の殺人の真相を書き続けてきた作家が、古希を越えた今、これまでの取材を振り返り、殺人者との交流を回想する。拘置監で大粒の涙を見せた無期懲役囚、「自分を小説に書いてくれ」と資料を寄越した家族殺害犯、著者が喪主を務めた前科十犯の男――。昭和・平成を震撼させた凶悪犯18人の知られざる肉声や人間臭い横顔を描く、著者の集大成的な犯罪回顧録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

31
映画「復讐するは我にあり」は、何度も観た映画。第一章の西口彰をモデルにしているという。18人の犯罪者との対話、法廷での陳述を基に著者の意見と共に構成されている。解説に書かれていた埴谷雄高氏が著者に語った「文学とは人間という不可思議な生き物の正体に、どこまで迫れるかだ」という 言葉は、メモに書き留めておいた。2014/09/05

AICHAN

30
図書館本。「まえがき」で著者はイギリスの評論家コリン・ウィルソンの「殺人者と他の人間との違いは程度の差であって、種類が異なるものではない」という言葉を引用している。これを読んで私はこの本を借りた。殺人者といえども普通の人間である。そのことを描いてくれるのだと期待したのだ。ところが内容は期待に反した。取り上げられている殺人者の多くは、家庭環境が悪かったといった事情があったにせよ通常人ではない。なのになんで「まえがき」でコリンの言葉を引用したのか疑問。あと残念だったのは構成が悪く文章がわかりにくかったことだ。2016/10/30

James Hayashi

21
自称、裁判傍聴業の著者。読んでいないが殺人事件裁判の傍聴を基にした「復讐するは我にあり」で直木賞受賞。著者の本懐とする、殺人犯罪者たち18人の回顧録。今回の作品は裁判や刑務所での面談もあるがメインは事件のあらましが語られているのみで事件や加害者の本隋に迫っているわけではなかった。世を震撼させた事件も時代と共に色あせ、また残念ながら新しい凶悪事件に事件簿は塗り替えられ、晴れやかな未来を見通せないことは残念。2015/07/11

テツ

18
著者が取材してきた殺人者たちの生い立ちや裁判記録。人間の中身や考え方なんてそうは変わらないだろうし、わりと悲惨な育ち方をした奴ら全てが何かをやらかす訳ではない。そこの決定的な差は何なんだろう。ぼくたちはたまたま運良くそうした感覚とは隔たれたまま生きているけれど、社会性やら道徳観やら損得勘定(人を殺して捕まったら人生はほぼ終わりだということくらいは理解しているだろう)が関係なくなってしまう瞬間というのは誰にでも訪れる可能性があるのだろうか。そしてそれは教育や身につけた知性で歯止めがかかるものなのだろうか。2022/10/14

gtn

16
上野・消火器商一家5人殺害事件の犯人、徳永の動機は怨恨とはっきりしている。一方、それにお付き合いした木村の犯行動機が見えない。自分でも分からないとし、「それにしては、あまりにも大変が大き過ぎました」と著者にあてた手紙に記す木村。ある意味人が好過ぎたがために、自らを死に追いやったといえる。2019/03/03

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