内容説明
初心の方がお稽古場で疑問に感じることなど100項目を掲げました。
「なぜ」という疑問が、「なるほど」という得心に変わる話柄が豊富に盛り込まれています。
【お話の流れ】
入門と初稽古
お茶室拝見
割稽古
風炉の薄茶平点前
炉で炭手前
小習の精神
拝見と千家十職
年中行事とお菓子
口切と点て初め
茶事のお稽古
茶事の心得とおもてなし
見立てのたのしみ
【100項目のなかから】
●畳の縁は身分をあらわす大切なしるしでした。
●畳を四等分して道具の位置を考えます。
●ぎっちょう炭の名前の由来は?
●荘物のお点前は一種のパントマイムです。
●「千家十職」をおぼえておきましょう。
●十一月の炉開きに「亥の子餅」を食べるわけ。
●茶壺のひもは解けないように結びます。
●末客を「詰」、亭主の助手を「半東」という理由。
●濃茶は三口半で頂きます。
●見立てには選んだ人の目があらわれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめぴょん
12
「お人様に恥をかかせないようにするためのお稽古(淡々斎宗匠)」「忘己利他(もうこりた。己を忘れ、他を利せよ。葉上照澄大阿闍梨)」という言葉が印象に残る。「知恵」というよりお稽古の中で行われていることを言葉で説明してくれる本という感じ。茶道という世界を究めた人が語り部となって話をしてくれているように感じられました。四季折々の風物を表現する和菓子にも茶道のお稽古に行き始めて興味がわきました。良かったなと思う本のひとつです。以下は文中引用。 「点前」は黒子(ほくろ)の点のように誰がやっても定めの位置に器物を置く2024/04/13
ふかゆき
4
長らく積読していた本。以前、少しお茶を習っていたが、何年も離れていたところに、先日、習っていた社中の先輩からお茶事のお招きがあり、心尽しの懐石など、貴重な経験をさせていただいた。が、私自身は、作法があまり頭に入っておらず、不調法この上なく、後日反省して、この読んでみたところである。知らない知識も多く、早く読んでいれば心構えも違っていたかなと感じた。2018/02/12
どうしよう
4
背筋の伸びる本。初歩の人に優しく語りかけてくれるようでいて、たしなめるような部分もあって。茶道にまつわる周辺知識を、程よい密度で教えてくれる。稽古は『ひと様に恥をかかせないため』にする。たしかになぁ。2016/06/21
星菫
1
珠玉の一冊。茶席では恥をかかないことに必死の自分は「稽古は人様にかかせないようにする」はまさに目の鱗が落ちた感じでした。ずっと心に留めておきたいと思います。2024/01/06
あとぴかりん
1
茶道を始める前に読んでも、頭を素通りしてしまう。ある程度、お稽古を実践してから読むと、姿勢が正される。2023/05/07