内容説明
佐藤優、渾身の国境問題最前線分析。収束しつつある中国との尖閣問題、韓国との竹島問題。その一方で接近し始めたロシアとの北方領土問題。また、同盟国・アメリカによるオスプレイ配置、普天間基地移設等の問題にゆれる沖縄。その元凶はどこにあるのかを外務省および政権中枢の極秘インテリジェンスを明かしつつ斬る。全国民必読の書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
30
民主政権当時の外交政策の迷走っぷりが、事細かに記されている。2015/03/19
sayan
11
理想を追い求め「過ぎた」結果、その反動として真逆の勢力が力をつけてきたという著者の分析は同時代のトピックを扱うなかで非常にリアリティがあった。特に、多様な背景を持って共生を試みるホスト社会だが、ドイツ、スウェーデンでの理想の足元で現実的に発生した「難民施設内での難民同士の暴力事件」は共生の限界と、共生社会に不安をもたらす。社会的安全保障という言葉が再認識させられる。それでも「人道的」という言葉がつけば、受け入れ側はどこまで歩み寄ればいいのか、その不安を解消する案は人道「だけ」を語る人たちからは出てこない。2017/11/05
緋莢
10
“新・帝国主義”時代に突入した国際社会。竹島問題で韓国、尖閣諸島で中国が日本に攻勢をかけてくるのは、日本が弱くなったから。さらに基地問題で沖縄も揺らいでいる中、「国境のインテリジェンス」が重要になる。領土と社会、文化を狙われないための武器となるインテリジェンスを提示した本。2015/04/06
こうきち
3
KindleUnlimitedで読了。政権の移行期なので、今となってはよくわからない話もあるが、面白かった2021/04/30
OjohmbonX
3
週刊誌連載のコラムで、野田政権~第二次安倍政権の冒頭までの主に国際・外交(や、その中の人間関係)の時評。数年後に読むならちゃんと当時の出来事を再評価した本が読みたいなあという気持ち。ましてこの著者の『国家の罠』や『獄中記』を読んでると、そういう整理や再構成がかなり正確にできる人だと知っているので、ますますそんな気持ちになる。この本が悪いというより、私がこの著者に求めてたものとズレてただけだ。ただ、興奮するとおネエ口調になる有能な上司と、ロシア人妻に逃げられる先輩外交官の思い出話はやっぱりおかしくて楽しい。2016/01/28