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内容説明
すべての色は、三原色をもとに作られる。これが、四色でも二色でもいけないのはなぜか。そもそも「色」とは何なのか――。ニュートンのような物理学者、ゲーテなどの文学者をはじめ、美術やデザインまで、様々な分野の専門家が取り組んできた色彩学。その理論の基本は難しそうに見えて、実はとてもシンプルである。北欧デザインの色彩美、遠近法との関係、印象派の絵画における光の見方など、色彩をテーマに美術鑑賞の知性を養う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kasim
35
色彩論の基本を紹介。三原色や四原色、明度や彩度、順応や残像、網膜の細胞の話など文化的というより認知的な観点の論が多く、ふだん自分が前者に偏りがちな見方をしているので新鮮だった。かと思うと著者の感性が印象的なところもあって、ちょっと福岡伸一先生を思い出したり。ゲーテの色彩論の根本が調和を求めること、しかも一律ではなく多様な要素がぶつかりあうバランスの上に成る調和であって、その世界観と一貫しているというのに感心した。「色は言葉で見る」「赤こそが唯一の色ではないか」という考えも興味深い。2019/04/04
slider129
32
この本を読めば色を通して有名絵画が理解できると言うよりかは、色彩のイロハを学ぶ為の入門的な一冊でした。赤、青、黄(緑)の三原色に、色相、明度、彩度の三属性、面色と言う色の現れ方については、美術を学んで来なかった自分にとっては新鮮な講義でした。表面色、空間色、面色に、透明面色、透明表面色、鏡面色、光沢、光輝、灼熱の9分類は理解するのには時間が掛かりそうですが、自然界に存在する色を概念で理解する言語の様に感じました。趣味で写真を撮ったりするのですが、それにも活かせそうな内容だったので、読んだ甲斐がありました。2018/12/30
ミッキー・ダック
27
名画の美は色彩学の理論に則っていると、事例を挙げて解説。理論の説明が大半だが、ゲーテやイッテンらの理論を踏まえ独自の考え方も展開。◆網膜において三原色で知覚された情報は次に四原色で処理されるという。赤と緑が生命の色、黄色と青が無機物の色。色彩遠近法、空間色と間色、補色調和論、三色調和論、色の中心は目が一番敏感に感じる赤、等々を学んだ。◆色を分類し特徴を知ることで、「色を言葉で見る」ことが出来るという。いわば感覚的なものを理論で説明する試みだから、絵画を味わう鑑賞よりも制作初心者に役立ちそうだ。 2019/02/11
Thinking_sketch_book
24
★★★★★ 感覚的な美的常識を中高生時代に習った三原色から綺麗に説明している。色で遠近を表現す。補色で鮮やかさを増す。調和を出す事で赤を際立たせる。忘れている事もあったと思うが理論的に綺麗な本が書けるのではないかと錯覚するような本だった。間奏に書かれていた色彩をもたない田﨑つくるの考察も面白かった。田崎は黄色で希求の色ってのはなるほどと思った。2014/09/23
yamahiko
23
感覚を言語に置き換える訓練の一助にと思い読みました。読後、大阪でのフェルメール展を観賞し、絵画を自覚的に言葉にしようとする自分を発見しました。ただ、今まで静かだった風景が急に煩くなり、戸惑っています。2019/02/23
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