内容説明
対米関係の悪化の反面、日露関係は徐々にではあるが、歩み寄りを見せる。悲願の北方領土返還に向けて奔走した佐田勇は、とある政治闘争に巻き込まれたことで、外交の一線から身を引き、今は作家だ。しかし、政権交代、さらに再交代と政変が続く中、いずれの内閣も佐田の情報分析力を頼ってやってくる。ロシア大統領の何を衝けば交渉はスムーズに行くのか、詳細なレポートで佐田は政権を助けてきたが、そんな佐田を逆恨みする連中が霞が関にいて……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
64
小説という形をとった暴露本。 皆、名前を少し変えてある。 オリンピックで金メダルを取ると一生食べていけると言われているけど、この人は檻に入ったネタで一生書いていける。転んでもただでは起きない2024/01/06
Gummo
36
小説とは銘打っているけれど、ノンフィクションとエッセイとを合わせたような作品。北方領土交渉を巡る外務省内の実態を描いている。北方領土問題については全く不勉強だったけど、これまでの流れや今後の課題がよく分かった。まぁ、一番心に残ったのは、外務官僚のおぞましい生態だったけど(笑)。★★★☆☆2014/05/23
sayan
20
うーん、小説にはなっていないかな…。かと言って、いつものドキュメンタリータッチの迫力もなく、ちょっと残念な作品になっている。出てくる内容も、すでに既出の書籍で触れられているものばかりで、それらが圧倒的リアリティと迫力を持っているだけに、この「小説」の中途半端さが余計に際立つ。著者の論文、論評、分析は非常に面白いのでそっちをメインに今後も読み続けることにしたいな。2017/05/28
ふぇるけん
16
限りなくノンフィクションに近い小説。北方領土をめぐる交渉の裏側がよくわかる。領土問題は相手をテーブルにつかせるところから綿密な駆け引きが重要であることがよくわかる。それにしても、官僚の職を離れてからもこれだけのものをかける著者はどういう情報チャネルを持っているのだろうかと考えると恐ろしい。2014/10/14
Gatsby
15
小説とわざわざタイトルにつけて、あくまでフィクションであると書いてあるが、登場人物の名前が本人をすぐに連想させるものであるし(このネーミングの面白さだけでも読み進めてしまう)、どう考えても、内容のかなりの部分は事実であり、それを少し脚色してあるだけ、という印象を受けた。そして、それこそが佐藤氏の狙いなのだろうと思う。ノンフィクションとして出版するなら、少し騒ぎになるようなことを、「小説」だと断って出版する。頭のいい人だ。こういう人を敵に回してはいけない。外務省でも後悔している人がいるだろう。2014/07/21
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