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内容説明
バブル経済崩壊、デフレ、リーマンショック、世界金融危機――。日本経済は1990年代以降、長期低迷に陥った。政府の景気対策は有効に働かず、政治家、エコノミストらの批判は、インフレを懸念し、腰が重い日本銀行に集中する。本書は、速水優、福井俊彦、白川方明、黒田東彦ら4人の日銀総裁を通し、自民・民主両政権から、景気回復、民意を大義名分に、独立性を奪われ、政治に屈服していく日本銀行の軌跡を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
wiki
14
大胆な金融緩和はドーピングだという感覚はやっぱり間違っていなかったと、本書を読んで思う。株や不動産を持つ人は死ぬほど儲けた。特に聡い海外勢が日本を買い、追随して日本の富裕層が買った。不動産現場にいて見て取れる事だ。持たざる人は実質的な物価高騰、消費税増税などで貧困化が進む。こうした自己中な拝金教がのさばるという副作用を知りつつも、国民のデフレマインドを何とかしなくてはいけなかった、苦渋の選択にも思う。出口は見えていない。現在の日本は大手術の最中だ。ソフトランディングするかは人間の底力と智慧に依ると思う。2019/04/29
34
13
この手の話って読んでも読んでも知りたいことに到達しない感ある。2017/02/18
むとうさん
8
90年代のバブル対応あたりから、日銀と政府の関係を丁寧に書いた本。著者は若手の政治経済学者だが、何も知らないで読んだら記者系の人の仕事かと思うほど、一つ一つ新聞記事を参照するなど丁寧に書かれている。印象に残っているのは、武藤敏郎元副総裁が「財務(大蔵)OB」色を出さないよう奔走したことと、民主党が与党になった瞬間(とまでは言わないが)に態度を変えた点、財務省の国際局系と主計局系のカラーの差など。直近のアベノミクス関連の記述からすると、著者は基本的にアベノミクスや黒田総裁の金融緩和を支持していない模様。2014/11/08
読書実践家
7
福井総裁、白川総裁、そして黒田総裁。日本経済の先行きに日銀は関わってきた。そして、政治との関連も大きい。アベノミクスと連携し、デフレ脱却への努力は続く。2016/03/22
Hiroki Nishizumi
6
非常に濃い内容が書かれている。その一方で紙面の制約からか事実関係だけポンポンと書かれて、その政策意思の背景や思想が分かりにくいところも多々あった。日銀の独立性維持や意義実現にはいろいろな障害が多いことはよく分かった。また戦略的失敗のひとつとして、専門家の良心から政策のデリメリットの説明を行ったこととあるのは考えさせられた。2018/05/25




