内容説明
近江屋の二階で暗殺された坂本竜馬。京都見廻り組説、薩摩藩黒幕説、両説の間に浮かび上がった新説とは。薩長を取り持ち「船中八策」を打ち出す竜馬に秘かに敵意を燃やした意外な人物とは誰? 会津の悲劇へとつながった藩主松平容保の京都守護職就任。火中の栗を拾う決断を促したのは輝かしい藩史にあった! 攘夷を望み公武合体を進めた孝明天皇の病死。囁かれる毒殺説の真偽とその目的を徹底検証! 幕末史を覆す史論三編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫
3
幕末史検証の小論文集。坂本龍馬暗殺は薩摩藩黒幕説なのですが、薩摩藩士と京都見廻組関係者の間に親交があったという程度のお話で、根拠は薄弱。「自分に都合のいい証拠だけを並べて実証しても説得力がない」という解説中の文言を本書が実践してしまった感じ。歴史は支配者によって都合よく書き換えられるだけではなく、営利目的の出版社と作家によっても都合よく書き換えられるものでもあるということをお忘れなく。「本当はこうあるべき歴史」を論じるのでしたら、それは時代小説の中だけでやっていただきたいものであります。星2つ。2017/07/19
(ま)
1
日経推薦図書2017/12/10
getsuki
1
幕末期最大のミステリー・坂本龍馬暗殺犯は?から始まって、会津藩主・松平容保が京都守護職を受けた理由、孝明天皇の死因、へと続く。「あらゆる事実を矛盾なく説明すること」に拘った著者の史論は実に読み応えがあった。自分の論説に都合の悪い資料を切り捨てるのは先人に対する冒涜ではなかろうか……しかし、大学とかで専門で研究してる人は総じてそんな落とし穴に嵌まるのはなぜなんでしょう?2015/02/09
綺楽院 /kiraku-in
1
たまにはこんなのもと暇つぶしに手に取った一冊。龍馬暗殺は興味深いですし。だが、うーん、真面目に?なるほどと思うところもありますが、さすがに……。見廻組が薩摩の令で動くとか、都合の悪い事は中岡の脳損傷による記憶違いとか。今井の助命にしても西郷はその手の話ちょこちょこあるし。お話としては面白いですが、いや、あんまし面白くもないか。今井が裏切るために西南戦争へ赴こうとする下りは面白い。こんなふうだったのかもしれない小説でよいかと。2015/02/04
悸村成一
0
読了73冊め。3編。2021/09/15