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内容説明
貝・菜・魚・肉・果・豆・根・米・餅・塩・酢・酒・贄……、記紀・万葉などを手がかりに、食を表すことばを読み解き、日本列島に太古から生きていた人々が何を食べて命を繋いできたのかを検証する。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翠埜もぐら
10
「日本語の深層」「原始日本語のおもかげ」の著者による言葉から見た古代日本の食物誌。古事記・日本書紀に留まらず催馬楽や祝詞なども駆使して一音の意味・変遷を細かく考察していく方法は、考古学的遺物のほとんど残らない物を研究することの難しさを感じさせました。「普通な物は残らない」とは民俗学でもよく言われるのですが、日々の生活は人生のほとんどなのにわざわざ書き残したりしませんものね。魚や穀物よりも海藻に重きが置かれていたことは面白かったです。比較的安易に大量に安定的に獲れ、保存が容易だったからか?2021/06/06
bapaksejahtera
9
「ヤマトコトバの考古学 」「原始日本語のおもかげ」に続いて読む。記紀万葉集等の語彙に、漢字の採用によって意味にバイアスの掛かる即ち「和名抄」以前の我らの言葉の実像に迫ろうとする。今回は話題を食物に絞る。メ(芽と目)ハ(葉と歯)クキ(茎と歯茎)ハナ(花と鼻)ホ(穂と頬)ミ(実と身)等、身体と植物との対応の指摘から本書は始まる。柳田國男風の文体は読んで心地よいし、更に論証的である。漢字採用に伴う大和言葉本来の語義との離間、近世の仮名遣い混乱、最悪は新仮名遣いの採用。我らの言語感覚は大いにずれてしまったのだろう2021/05/09
michu
4
多少の縁があって手に取ったが、難しくて難しくて…どうも私は古語との相性が悪くて、英語以上に何言ってるのかわからなかった(~_~;) あまりにも進まないので、 後半は諦めて全ての古文を飛ばしたが、解説や考察すらも理解できない。現代語なのに、聞きなれない響きと言い回しで、何がどうしてそうなるのか全く頭に入ってこないのである。あぁ頭が悪いorz なぜか調味料のところだけは読めた。なぜだ???2015/12/16
ik
1
「[……]言葉の諸元では、『クダ物』には『ケ(毛)ダ物』という言葉が相対していたようである。[……]『クダ物』が、『木だ物』だったと見られることは、神代記に木の神を『ククノチ』というとあり、その他『クエ彦(木兄彦、木の兄さん、案山子の一古名)』『クグツ(木偶、木の操り人形)』」など、古語の熟語の中にクが木の意で残っているからである」 p.982015/05/18
はちめ
0
な、ね、こなど単音節の言葉が古代において持っていた初源的な意味を感じることができます。2015/02/21