内容説明
愛犬が死んでしまったのに笑ってしまったのはなぜ? 結婚十年の記念日に行った渋谷の中華料理屋で思ったこと、相方・田中とはじめて出会った時の2人の珍妙な会話から、少年犯罪と愛とエゴイズムについて思うこと。さらに掌編小説のような余韻を残す「鳥」「冬将軍」まで、ますます筆がさえてきた太田光の徒然エッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひかり
6
特に『ヒント』が、興味深く読めた。自分も、うたた寝して起きた時などに、あれ?ここどこだ?おれ誰だっけ?ってなって、おれ誰だっけと思うのとほぼ同時に、心の中で自分の名前を焦って連呼してる自分がいたなあ(^ ^)あと、ひらがなの『あ』という字を見て、すごく違和感を感じて、何といったらいいのか分からないけど、なんか面白いというか怖いというかそういう感じになった事を思い出した。2023/03/04
makimakimasa
5
『太田上田』をYouTubeで視てから、自分の中で太田光の再評価が著しい。本書も不思議な落ち着きのある文体で、話を茶化す事無く(たまに荒唐無稽な箸休め的ホラ話はある)、日常の思考の一端を知れる。変にこじつけてまとめない、あっさりした終り方も良い。つまらない社会に生きる少年達を思いやり、先進国にしがみつく日本に疑問を呈した2000年のエッセイが刺さる。高2で島崎藤村を墓参した妻籠への旅(宿で1人ピースの自撮り写真)や、結婚10年記念日のエピソード(当時と同じ料理屋で、未来に宛てた当時の手紙を読む)も素敵だ。2020/07/07
ひなこ
5
太田光さんのエッセイ集。スラスラと読み終えてしまう。独自の目線で世間を斬っていく感じが斬新で良い。かなり前に出た本だが時代を感じさせない。太田光さんが茨の道を歩いてきたこと、しかしそれを出汁に同情を誘うわけではない。決して悲観的ではない。2019/04/14
菊痴
2
太田さんは破天荒に振舞っていらっしゃいますが、真面目な方なんだなと感じました。少年のように優しく繊細な人。表現したいことがたくさんあって止まらない天才的な部分もこのエッセイで垣間見ることができました。奥様との台湾料理店でのエピソード大好き。
スノーシェルター
1
同意と爆笑。共感できない部分や、ナニソレ?という部分もあったけれど、いろんなことを考えている人だと思う。2010/09/03