岩波科学ライブラリー<br> 信頼の条件 - 原発事故をめぐることば

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岩波科学ライブラリー
信頼の条件 - 原発事故をめぐることば

  • 著者名:影浦峡
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 岩波書店(2015/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296076

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内容説明

福島原発事故後,事実としても科学としても誤った発言が跋扈した.ところが,受け手の市民に責任が転嫁される事態が生じている.専門家といわれる人々のことばから論理の構造を抽出し,どこに問題があるのかを明確にする.信頼の条件とは,内容の確かさだけではない.科学者を含む市民皆が直視すべき,知識の扱い方の問題である.

目次

目  次

 第1章 地に墜ちた信頼?
   《コラム》科学・科学者・専門家

 第2章 事実としても科学としても誤った発言の跋扈
  2.1 「『想定外』でした……」
  2.2 私が正しいと思うことは私が正しいと思っているがゆえに正しい
  2.3 私にわからないことは存在しない
  2.4 現実とは私が想像することである
  2.5 私たちが正しいと思っていることは私たちが正しいと思っているがゆえに正しい
  2.6 事故から目を逸らす最善の手段は既存の知識で事故を見ることである

 第3章 社会的に適切さを欠いた発言はどのようになされてきたか
  3.1 私が(無意識に)妥当と思っていることは,皆に,そして社会に,妥当する
  3.2 私の知らないことは存在しないし,私は法律も法的考え方も法の理念も知らない.私は専門家なのだから
  3.3 ボクこの話をする,だってしたいんだもの,ボクは専門家だからみんな聞くんだよ

 インターミッション:信頼とその条件
   コミュニケーションと状況の変更
 第4章 どのようにして信頼を支える基盤が崩壊したのか
  4.1 失敗したのは私たちだが,問題は皆さんにある
  4.2 心配ないと言っているのに心配する皆さんがおかしい,理由を私が説明してあげよう

 第5章 コミュニケーションの再配置へ向けて

 「東京大学環境放射線情報」をめぐって(押川正毅)
   あとがき
   注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

calaf

10
結局、科学者としての態度を一貫して持ち続ける事が重要という事かな?もちろん、内容が(少なくともその時点で)科学的に正しく、挙証責任を果たしていることは最低限必要であるのですが、それだけではなくその発言によってもたらされる情報伝達以外の効果にも十分に注意を払う必要があるという事でしょう。なかなか難しいですが...2013/06/06

Aby

5
似非科学をぶった切る本の延長で手にした.説明責任・挙証責任という点で,原発事故で墓穴を掘りまくった人と似非科学と,なんと似ていることか.「自分が信じたいこと」を「信じる」ように熱弁を振るったら,科学ではなくなる.2013/09/03

k.kishida

4
この本、絶対に読むべきでしょう。なんか、もやもやしていたものが全部吹き飛ばされ視界が明瞭になりました。また、一人信頼に足る学者さんを見つけました。2014/09/10

Kei

2
原発ついて色々フォローしていると、まとめ的にいい感じ。ただ、ここの報道の背景をしらないと難解かも。こういうことを理論的に語ることができるというのが学問なのでしょう。2013/06/04

松村 英治

1
言説の研究ってすごいなあと思う。そのへんにあるものに意味を見出して、整理し、提示する作業。自分の環境にいつもダウトをかけて、考えなければ気付かないと思う。2017/03/26

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