岩波新書<br> NHK - 危機に立つ公共放送

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岩波新書
NHK - 危機に立つ公共放送

  • 著者名:松田浩
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2015/02発売)
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  • ISBN:9784004315216

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内容説明

創設以来最大の危機に直面しているNHK.現政権に「乗っ取られている」と危惧する著者が,公共放送の役割を根本から見つめ直す.権力による不当な支配をはね返して,現状を打開していくためには,いま何が必要なのか.密着取材歴35年,NHK研究第一人者が,克服すべきすべての課題に鋭くメスを入れる.定評ある前著を全面改訂して問いかける緊急提言.

目次

目  次

 序章 いま、なぜNHKか
   発端は経営委の首相“お友達人事”/BBCも「NHKの危機」を特集/ “偏向”是正/ 「視聴者のみなさまと語る会」での一コマ/公共放送の役割は「権力監視」/ 「NHK支配」の根源にメスを
 第1章 公共放送とは何か──国家のNHKか、市民のNHKか
   メディアの公共性とは/公共放送の役割とは/政府からの自立/電波監理委と「市民社会の論理」/ 「言論の自由市場」の思想/ 「政府の政策を徹底させること」/NHKとBBC/ジャーナリズムとしてのあり方/有事法制反対大集会の場合/視聴者への説明責任と公開性/デジタル化の方向性と進め方
 第2章 「三つの独立」とその空洞化
   政府からの三つの独立/ 「財政の独立」の空洞化/組織・人事への介入/委員長通じ会長人事を左右
 第3章 NHKの体質はどのように培われたか
   政府監督下のラジオ誕生/準国営放送への道/敗戦とGHQ/民主化の風/重視された放送/ 「放送委員会」のメンバー/高野岩三郎会長の訴え/新生の気運/不発に終わった“編集参加”構想/逆風と民主化の挫折/裏切られた理念/電波監理委員会の廃止/風刺バラエティ「日曜娯楽版」/吉田自由党の敵意/ 「NHKは国策の徹底を」/報道を飛躍的に強化/脱皮した日放労/前田会長の時代/ 「介入」と「自立」のせめぎ合い/歪められた「日本の未来像」/ 「対立を激化させないのがモットー」/沖縄返還協定テレビ調印式/参院選への宣伝効果/深刻な数字/ 「偉大なちゅうぶらりん」/会長選出と一三七万人署名/経営委員長と市民代表が対話/ロッキード・三木発言カット事件/報復人事と島元会長の証言/ 「効率化・商業主義化」路線へ
 第4章 ETV番組改変事件が提起したもの
   屋台骨を揺さぶった大事件/どのような番組だったのか/改変に次ぐ改変/東京高裁判決の意義とは/聞き流された経営委員の訴え/一般論にすりかえられた最高裁判決/早くも「編集権」強化の声/放送倫理検証委の「意見書」/ 「事実」と向き合う勇気/大型企画の“落とし穴”/集中攻撃浴びた「アジアの“一等国”」/偏向攻撃の狙いと思惑
 第5章 「改革」へのせめぎ合い──〓井体制につながった経営委員会強化
   放送法改正と一体の古森人事/ 「危機」から始まったNHK改革/政・財界主導の官製「NHK改革」/経営委の性格を変えた「法改正」/前面に出てきた「偏向」是正/値下げは「構造改革」の証し?/生かされなかった「自主改革」の提言/市民の「改革」提言運動/監視と激励の参加型運動
 第6章 「国策」優先か、公共性の視点か──問われる「ユニバーサル・サービス」
    「国際放送」強化と4K・8K実用化/繰り返されるか「国策」の推進/デジタル懇の貴重な警告/産業政策的「国策」の“風圧”/ 「あまねく」条項の拡大解釈/視聴者不在の地デジ化の教訓/値上げの正攻法を避けたNHK/ 「先導的役割」は何のためか/莫大な設備投資/ 「ニュースウオッチ9」にみる権力傾斜/最下位の独立性・公正さ
 第7章 通信・放送融合時代に問われるもの──試練に立つ受信料制度と公共放送の使命
   激変するメディア環境/公共圏の危機/始まるNHKのネット同時送信/世界の潮流に逆行するNHK
 第8章 再生のために何が必要か──市民的公共放送への道
   NHK危機の本質とは/NHK問題の根深さ/私の「NHK改革」提言/民主党「構想」不発の教訓/公共放送の存在意義/国民的規模で議論を
   あとがき
   NHK戦後歴代会長一覧
   NHK歴代経営委員長一覧
   NHK略年表
   主な引用・参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

jima

19
言葉が難しくわかりにくいところがあるが、最近のNHK、ちょっと変だぞと思っていたので納得。BBCなどヨーロッパ公共放送が共通して取り組んでいる3つの柱(7章)、その流れと正反対の方向に流れようとしているNHK。「重要なことは、民主主義の『番犬』として、権力を監視する役割を託された公共放送メディアにとって、第一義的に求められるのは、政府からの『独立』市民社会に対する『透明性』と『説明責任』」。政府の顔色を伺い、自主規制してしまう「飼い犬」になってはいないかな。2015/01/31

coolflat

15
戦後70年、NHKは、様々に政府に翻弄されてきたが、時の政権が首相に極めて近い人達を経営委員会に送り込み、財界人グループ「四季の会」と図って、NHK会長の座に意中の人物を据えるといった露骨な人事介入は、戦後の歴史始まって以来、安倍政権が初めてだと言う。なぜこうも政治介入を許し、そして常態化し、やがてNHKは追いつめられていったのか。その要因は4つある。1つは電波管理委員会の廃止、2つ目は自民党政調会・通信部会などの「密室審議」、3つ目は経営委員の指名・任命権、4つ目は政府による会長人事の「事前了解」権だ。2016/01/09

tolucky1962

13
長くメディア研究した著者が05年初版を14年に全面改版。他国のように放送監視の独立機関がなく、政府に権限ができてしまっている日本で、NHKの政府からの独立性が問題。政府干渉の歴史が示される。組織、人事、予算的独立の仕組みがなく、政府が予算を人質にして人事さらに番組内容に干渉。『メディアが政権を監視』すべきが『政権がメディアを抑える』。報道の自由は国民の知る権利に直結する。政権のメディア干渉が問題になっている今、読んでおくべき内容。2016/04/10

安瀬内喬

2
NHKはすでに公共放送ではないと思っていますが、前の戦争のようなことはしないぐらいの自律性は欲しい。もうないのかな。2015/03/20

だろん

2
ニュースW9の大越キャスターが「在日の方々は強制連行で来て苦労した人々」と捏造したり、ムスリムの方々に対する誤解をあたえるとして政府・国会で日本語の「イスラム国」との表現を自粛しようと決めたとの解説直後から異常に「イスラム国」と連呼したり、在日韓国人の犯罪は取り上げなかったり匿名・通名報道に徹したり…NHKっておかしいな?と思いはせて読んだけど、売国ビジネスで小銭を稼いできたセンセイの本だった…途中から飛ばし読みしても、もう腹いっぱいでした(´・ω・`)2015/02/01

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