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内容説明
科学の粋を集めたはずの原子力産業.しかし,そこでは地震学の最新の科学的知見が活かされなかった.地震学の進化過程において,その後のプレートテクニクス理論導入において,どのような議論で「補強せず」の方針が採られたのか,科学ジャーナリストが詳細に明かす.そして今,新基準による判定がその反省に立脚しているのか,真摯に問う.
目次
目 次
プロローグ
序 章 手さぐりの建設
プレートテクトニクス理論以前の時代/揺れには三倍の余裕──「原発と地震」の歴史/五五キロ遠方の、わずか一二年分の津波データで設計/大津波の言い伝え──女川原発はなぜ助かったのか/バックチェックの仕組みなし/本書の構成
第1章 利益相反──土木学会の退廃
電事連資料/北海道南西沖地震/七省庁手引き/数値解析の誤差/土木学会津波評価部会/土木学会手法の策定手続きにおける問題/対策は二〇センチ/首藤氏に聞く
第2章 連携失敗──地震本部と中央防災会議
阪神・淡路大震災の教訓/地震本部の設立/日本海溝の津波地震/中央防災会議の「長期評価つぶし」/不可解な中央防災会議の動き/東電から圧力はあったか/専門家の意見は分かれていたのか/ばらばらだった
第3章 不 作 為──東電動かず
二五年前──地層に残された「警告」(一九八六年)/一七年前──ずさんな想定見直し(一九九四年)/九年前──見えていた二つの津波(二〇〇二年)/明かせない訳(二〇〇二年)/確率でごまかす(二〇〇六年)/一五・七メートル──津波地震を「想定せよ」(二〇〇八年)/貞観津波の正体(二〇〇九年)/地元を騙す(二〇一〇年)/四日前の「お打ち合わせ」
第4章 保 安 院──規制権限を行使せず
三つの不作為(二〇〇〇~〇二年)/担当課長「揺れが重要課題だった」/危機感抱いていた職員も/海外のアクシデント例を生かさず/安全性再検討(バックチェック)の遅れ/徹底した情報隠し
第5章 能力の限界・見逃し・倫理欠如──不作為の脇役たち
福島県、「M八津波」想定したのに動かず/津波地震「無視するのも一つ」と助言した地震本部委員長/ 「原発はタブー」だった地震学者/日本初の倫理綱領が生きなかった土木学会/メディア1 「想定外」を生み出す構図追えず/メディア2 度重なる手がかりの見逃し/メディア3 吠えない「番犬」
終 章 責任の在処
事故調の限界/証拠出し渋る規制委員会/基礎的な事実を確かめない検察/検察審査会の明快な判断/裁判への期待と限界/それぞれの立場で巧妙な責任回避/ 「安全文化」でごまかす/川内原発が繰り返す過ち/ホイッスルを吹きやすくする仕組み
エピローグ
感想・レビュー
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kinkin
壱萬弐仟縁
スパイク
おさむ
風に吹かれて