ハヤカワ・ミステリ<br> ありふれた祈り

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ハヤカワ・ミステリ
ありふれた祈り

  • ISBN:9784150018900

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内容説明

〈アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞/バリー賞/マカヴィティ賞/アンソニー賞受賞作〉1961年、ミネソタ州の田舎町で家族とともに暮らす13歳の少年フランク。そのごく平凡だった日々は、思いがけない悲劇によって一転する。少年の人生を変えた忘れがたいひと夏を描く、切なさとほろ苦さに満ちた傑作ミステリ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

243
2016年このミス海外3位。 アメリカのミネソタの自然を 背景に家族の絆と少年たちの 成長を描く。 ひとりの少年での死で 始まるこの物語…ミステリーと いうよりも、 読んでいるとなぜか 「stand by me」の風景が 眼に浮かぶよう…美しい姉アリエール失踪から 展開される捜査と、明らかに される真実は何だったのか、 深層に潜む白人とインディアンの微妙な関係を盛り込みながら、家族の隠された 秘密を徐々に明らかにしていく… 切なさとほろ苦さが 全編に漂うが微かな希望の 光が心に残る、 そんな本だった。2015/12/27

ちょろんこ*勉強のため休止中

196
約50年前のミネソタ田舎町で起こった数々の悲劇が、13歳の少年の目を通した回顧録として語られる。全てを乗り越えざるをえなかった家族の強い絆と、少年のたくましい成長が細やかに描かれていた。中盤まではたいした事件は起こらず、少年の目を通した矛盾に満ちた世界の有様や、田舎町ののどかな自然、個性的だが温かい人々との交流が描かれ、ミステリーというよりもほろ苦い青春小説に感じられた。全体的にノスタルジックで叙情性に満ちた物語。「死者は近くにいる...」エピローグで胸を抉られた。失われたもの、得たもの、人は生きていく。2015/03/11

紅はこべ

125
今までのこの作家のイメージと違い、ちょっとトマス・H・クックみたいと思った。クックほど思わせぶりな筆致ではないが。アメリカの男性作家は少年時代へのノスタルジーが大事なんだな。その手の傑作ならマキャモンだけど。芸術家が聖人と暮らすのはきついかもね。でも父親も完全な聖人ではなく、当たり前の人間、普通の父親であったことは、エミールと縁を切ったことで証明されたね。2016/03/02

やきいも

117
『このミステリーがすごい!2016年版』海外長編部門の第3位の作品です。地味だけど、しぶくて味のあるミステリーです。田舎町の殺人事件を通して主人公の少年が成長していく物語。個人的には342ページの主人公の弟が「ありふれた祈り」を捧げた場面が映画のワンシーンのように深く心に残った。凝ったトリックや、ドキドキハラハラするストーリー展開はこの本にはありません。「ミステリーのスタイルを取り入れたアメリカ文学」という感じの本。また再読してみたいです。2015/12/15

starbro

97
ウィリアム・ケント・クルーガー初読です。地味な作品だと思いますが、全米4大ミステリ賞で最優秀長編賞を独占しただけあって、最後まで読ませます。但し、純粋なミステリというよりも、ミステリ要素のある家族小説だと理解しました。ところでアメリカ人はネイティブアメリカン(いわゆるインディアン、これも酷い言い方だと思いますが)をほぼ滅亡させてしまっことを反省しているのでしょうか?2015/02/16

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