内容説明
風雅で堅牢な水城として名高い武州・忍(おし)城の姫・甲斐は絶世の美姫であった。だが、関東の覇者北条氏への輿入れを拒んだのを機に、その運命は大きく転ずる。剣聖上泉信綱から奥義を授かり、無類の武者へと成長したのだ。そこへ、幼少の頃より甲斐を疎み、放逐した父の危機の報が……。豊臣の大軍からわずかの軍勢で城を守り、秀吉を感嘆させた美貌の姫武者と、彼女を陰で支えた強く美しき女たちの戦を描く表題作ほか、時代ロマンの俊才が放つ傑作中編集。(『青嵐の馬』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りんふぁ
3
甲斐、だけでなく、甲斐の周りの女性たちみな格好いい!2019/07/21
yamakujira
2
夫を殺された仇を討つ烈女をえがく「白日の鹿」、忍城を守り抜いた甲斐姫の成長をえがいた「紅蓮の狼」、北条氏重が無嗣改易された謎をえがく「青嵐の馬」、それぞれが順に、信長、秀吉、家康に関わる時系列に並べた短編集。「白日の鹿では、この時代にあって名前を残した勝子を讃える一方で、どうしても哀れに思ってしまう。表題作は、甲斐姫の成長譚があまりにもエンタメ寄りに創られすぎてるから、ちょっと白けてしまう。「青嵐の馬」も久太郎の人物造形が陳腐だけれど、大胆な解釈に時代小説の醍醐味を感じるのがよかった。 (★★★☆☆)2019/08/21
tako_machida
1
中編3作の中では、表題作の忍城を守り抜いた甲斐姫の話が一番好きかな。のぼうの城とは視点が全然違って新鮮でした。2020/02/22
茅渟釣迷人
0
古本購入-売却2010/10/15
タナゴ
0
切り口によって歴史の見え方が大きくかわるんだなと思いました。2014/03/20