内容説明
彼は学校へ行かなくなった。食事も1日に1度、すべての料理にあふれるほどトマトケチャップをかけ、皿まで真っ赤にして食べる――。そんな彼がやがて結婚し、子供をつくり、流行作家になった。妻や子供との日常生活に、ふと昔の自分の姿を思い出す。深い思索の中に苦いユーモアをちりばめた私小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
11
トマトケチャップという語感にはじめは抵抗を抱くが、それも謎解きがされる。著者は私小説というものにできうる限り距離を置きつつ、それでもなおかつ自己への省察というような形での私小説を試みたものとして考えられる作品。時間をかけただけに考え考え綴ったのではないかと憶測。なかなかの出来。これがなぜあまり鑑みられないのか疑問。いまではこの著者をとことん知り抜いてやろうなんて気概を抱くひとも皆無にちかいかも。2024/08/18
葉芹
2
三田誠広、久しぶり。ブックオフの戦利品。甘い内容かと思いきや、タイトルに騙された。父も兄弟も息子も居ない私には父と息子の関係というのは興味津々。2011/12/05
りゅっく
0
三田誠広の私小説いちご同盟に続き読みました。私小説と思うと気持ちも入ります
しまたろう
0
父親との関係を綴った私小説的作品。青春の終わりを描いたものでもある。主人公がネタに詰まったかなんかして草むらをさまようシーンが好き。けっこうとぼけた描写があるけど、読んでいると主題はシリアスであることに気づかされる。
kayoshi
0
★★★・・ 2002/01/09
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