内容説明
”宇宙の真の姿”について独創的な理論を構築した宇宙物理学者。だがこの理論に従うと宇宙はわずか8日前に誕生したことになる。恋人と自分の実在を確かめようとした彼は……表題作ほか4編収録。
※本書は、二〇〇四年八月刊行の小社単行本『審判の日』を加筆・改題のうえ文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
83
パターンの違う5つの短編集、SFなのだがミステリ風の作品や宇宙創造論、ホラーにAIと人間の心を探る物語と、バラエティーにとんでいる。当たり前を崩そうとする、正にアイデアの宝庫の様である。タイトル作品は理論上のやりとりであり、切なくもあり屁理屈に感じなくもなしで、結局良く解っていない。好みとしては、ある日突然僅な人を残して、動植物や微生物までもが消えてしまう「審判の日」。残った女子高生と少年が出会い、心の葛藤と歩み寄りを描いている。何故、突然世界が終わるのかという謎解きが、あまりにも予想外で考えさせられた。2022/09/07
ざるこ
53
SFでミステリでオカルトチックでホラーテイストありの5篇。どれも鮮明にイメージできて映像化して欲しい作品ばかり。「闇が落ちる前に、もう一度」歴史を否定される絶望感。「屋上にいるもの」雨の日に屋上から聴こえる音。狂気に満ちてて背筋が凍る。「時分割の地獄」仮想人体に心は宿るのか。殺意を抱くことは?時分割の地獄が戦慄。「夜の顔」怖い怖い怖い!「審判の日」突如として世界のほとんどの生物が消失。生き残りと言えない結末が衝撃。どの物語も足元から地盤が崩されていく感覚。目の前の現実を信じられなくなる。山本弘作品は濃い!2021/09/03
はらぺこ
52
短編集。多少想像し過ぎて混乱するのも有りましたが全体的に好きです。 多分1番ベタで途中でオチも分かるけど『屋上にいるもの』が1番好き。『審判の日』は大阪に住む自分でも少し東日本大震災を思い出してしまったので被災地の人が読むと辛いかも知れません。 『世にも奇妙な物語』が好きな人にオススメと思います。2011/12/14
Akira
43
★★★☆ 最初の表題作は「?」って感じだったけど、他の4編は流石山本弘って感じ。これがあの、神は沈黙せずやアイの物語の基礎になったと考えるだけで嬉しい。夜の顏と審判の日が好き。いや、屋上にいるものや時分割の地獄も好きだな。2018/06/05
Rin
41
短編集。どのお話も仄かに恐ろしさが漂っている。気付かないようにしていたこと、深く突き詰めて考えないようにしていたこと。その答えに行きついた時に感じる恐怖。知ることの恐怖がそこに在った。それは「闇が落ちる前にもう一度」「夜の顔」の二つに特に感じる。特に良かったのは「審判の日」。どの作品も、答えを知った途端に自分自身が不確かになったり、現実だと思っているものが崩れていってしまう。特にAIの「時分割の地獄」は今後、絶対にないとも言えない気分にさせられてしまう。読後感は山本さんらしい短編集でした。2020/01/12
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