内容説明
「私とは何か」と問う者こそが、「私というあり方」をする者である。過去と現在、両立しえない二つの時間をつなぐ能力こそが、「私」である。時間論と身体論の邂逅によって「私」という不可思議な存在の謎に迫り、「私というあり方」は解き明かされてゆく。既存の哲学の焼き直しでなく、自身のことばで考え抜かれたまったく新しい自我論が立ち上がる! (講談社学術文庫)
目次
まえがき
第一章 「私とは何か」という問いの特殊性
第二章 知覚の現場に私はいない
第三章 見えるものと見えさせるもの
第四章 想起とその主体としての私
第五章 観念に対する者としての私
第六章 「この」身体から「私の」身体への転換
第七章 他者たちの成立
第八章 不在としての私
エピローグ 私の死
原本あとがき
学術文庫版あとがき



