内容説明
1938年5月21日、岡山県の寒村で一人の青年が一晩で30人もの村人を惨殺した「津山三十人殺し」。70年以上前に起きた惨劇の足跡を追った筆者は、知られざる事実と真相にたどり着いた。惨劇の真実と真相を明らかにするノンフィクション・ルポ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
60
津山事件についての一冊。正直津山事件は事件当日に焦点を当てたセンショーナルな作品が多いのだが、本書は事件自体より犯人の背景を中心に記述されており面白く読めた。出生以前の事や病気の事等、実に丹念に調査している。とはいえ祖母との関係等はあくまで推測にすぎず、物証はやはり無いのであるが。無理もないといえば無理もないのであるが。特筆すべきは関係者の証言と調査報告書。特に調査報告書、前巻は存在だけでほぼ触れていなかったが、本書では一部引用されており生々しさに息を飲む。特に見取り図から漂ってくるおぞましさと言ったら。2015/12/17
Bugsy Malone
58
以前読んだ筑波昭著「津山三十人殺し」に創作があるという批判には驚かされた。本作の本題部分、犯人都井睦雄の祖母いねの生家に関する部分や睦雄の両親が亡くなってからの移転の理由などの考察は非常に興味深い。また検察局がまとめた「津山事件報告書」の一部や睦雄の遺書が掲載されており、新たな証言なども加わり、生々しい事件の凄惨さが伝わって来る。事件関係者の殆どの方が亡くなられた現在、これからも事件を追い続けるという筆者の今後のルポに期待します。2016/01/24
harass
49
有名事件のルポ。正直、三面記事的事件はネットでまとめられている時代に、いまさらだと感じつつ読んでいった。筑波本というこの事件の有名な取材本を否定するところがあるが、ちょっと弱いなあと。ほかに途中の推論や書き方に抵抗がある。型通りというか若いというか。ノンフィクションものの問題というか…… 2013年に現地や存命の関係者に取材しているのは認めるのだが。多くの小説などの創作の元ネタとして参照される、面白いネタが満載の事件であると、再認識できた。2017/02/23
澤水月
20
うーん…極端に良い点悪い点混じる。13年に事件生き残りや古老の口を開かせた証言は大変貴重。ただ激烈な筑波昭氏「捏造」批判はどうも座りが悪い気持ち…これはもう一人の市民研究家著作も読まねばだが、偉大な先人にも少し敬意欲しいな(研究家取った筑波言質もご高齢でシグルイ的曖昧らしいし…)。本書新事実の遺産のあたり気逸り筆先走り資産と混ざりカッコ多すぎ読み難い。前著は折角海外で入手した超貴重資料をほとんど引かず唖然としたが本書は丁寧に引用。見解とか多分上書き繰り返すんだろな…にしても被銃撃体験?!どんな経歴なんだ2014/03/23
gtn
18
動機が怨恨とはいえ、冷静に仕事のように殺人を進めていった。八十発の銃弾で三十人を殺害したという、その異常に高い殺傷率がその証左である。自決も含めほぼ計画通りミッションを遂行した。「できるやつ」と認めてほしいかのように。2019/01/13
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