内容説明
鉄路の果て・終着駅への旅路には、宮脇俊三鉄道紀行の全てが詰まっている。北は根室、南は枕崎まで、二十五の終着駅を目指す「行き止まりの旅」。国鉄民営化直前の鉄道風景が忘れ去られし昭和を写し出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
23
宮脇さんの文体は素晴らしい。推敲の極みかもしれない。臨場感、筆者の感情が手に取るようにわかる。しかも余韻が残る描写。どれをとっても素晴らしい。終着駅をめぐる旅は、今では廃線などでその当時の雰囲気は感じられないかもしれないが、作品の中では当時の様子が生き生きと描かれ、まさに鉄道遺産とも言える。2016/01/13
Naoko Takemoto
11
筋金入り鉄オタ宮脇俊三の鉄道エッセイはユーモアのある旅文学だと思う。最近の鉄オタにありがちなマニアックな知識一辺倒の薄っぺらいルポとは格が違う。本当に文章が上手だ。終着駅というつきあたりへの興味を嫌でも誘う。彼が旅した時代から50年ほど経過して風景も変わっただろうけど、鉄旅の本質は変わらない。ああまた旅に出たい。2023/01/21
たびねこ
11
10年ぶり再読。何度読んでも飽きない。飽きない自分が不思議に思えてくるほどだ。単なる鉄道紀行文ではないということだろう。2015/10/17
saga
7
昔「国鉄」で日本一周しようと時刻表を飽かず眺めていた子ども時代を思い出した。ほっとする鉄道エッセイ。2010/06/30
アンドレス
6
僕は鉄道マニアではないのですが、これは面白いです。 標津本線や士幌線など(残っている路線の方が少ないかもしれませんが...)現在は廃線になっている路線の貴重な記述もあり、マニア受けするような内容であるにも関わらず、平易でさらっとした文章である点に非常に好感を持てました。且つ深みもあり読み応えも感じられました 宮脇俊三さんの他の作品も読んでみようかと思います。2023/01/13