内容説明
松本清張賞作家が満を持して放つ書き下ろし時代小説。新内流しを生業とするおれんは、旧知の清元の師匠・梅春の遺体発見現場に遭遇する。梅春は錦絵「艶姿五人小町」に描かれて人気だったが、その小指の先は切り取られていた。半月後、同じく錦絵に描かれた船宿の娘が殺された。これは連続殺人なのか? そんな折、おれんは錦絵の作者の弟子、玲泉と知り合うが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みい坊
26
「邪劍始末」と言う前作があるらしいので、ぜひ、読んでみたいと思いました。おれんさん、一人でスクッとたつ生き方が格好いい姐さんでした。「月下上海」で、山口作品は自分とは少し合わないと感じていながら、面白そうな内容にひかれて手に取った1冊。読んでいて、面白いのだけれどもやはり違和感を感じます。まるで、お手軽二時間ドラマを見ているような事件のてんこ盛り。その割には、軽すぎると感じてしまう展開。とは言え、おれんさんの格好良さは好きなので、続きが有ったら読んでしまいそう。微妙に気になる物語でした。2015/03/02
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
24
『邪剣始末』のおれん姐さん再び! 前作の伝奇色は無くなり、錦絵に描かれた小町娘の連続殺人を追う捕物帖風味。 犯人は分かりやすいですが、その殺人事件の関係者たちの人間模様が様々に絡んでいて楽しめました。 ページ数の割には盛りだくさんな内容ですよ。 ただ、味のある脇役キャラがあっさり退場しちゃったり、死人の方も盛りだくさんでした…。 世の中の酸いも甘いも知り尽くした大人ヒロインが、とってもカッコいいです!! シリーズが続くのを期待します☆2015/02/19
ぶんぶん
21
【図書館】「邪剣始末」の続刊。 久しぶりに江戸に戻って来たおれん姐さん、たまたま清元の師匠・梅春の遺体に遭遇。 これが錦絵「艶姿五人小町」殺しの発端とは・・・ 山口恵似子の作品は面白いが、ちょっと小ネタが効きすぎる。 もっと、一本筋が通った痛快物をお願いしたい。 剣豪ものか捕物帖か、判らなくなる。 ちょっとかっこいいおれんさんが見たい。 2022/01/05
アーちゃん
16
図書館本。「邪剣始末」の続編です。前作が完結しているので、こちらから読んでも大丈夫だと思います。山口さんは美形を描くのが上手い。また1冊で完結する連作長編というのも良いと思います。惜しむらくは小町五人娘の設定。四人娘でも良いのではなかったでしょうか。それとたまに描写のキツいところがありますが、登場人物が全員魅力的なのでさらに続きを読みたいと思いました。2017/03/17
Nazolove
10
山口氏の新作、まさか前回のおれんの続きの話であるとは思わなかった。 以前に比べておれんの話し方がかなり年寄りのオバハンくさく感じてしまったのは私だけだろうか(笑) 表紙もちょっと白髪混じりだしてきたし(気のせいだと思うが) 前回よりはミステリーチックな感じの作品であった。 前作の邪剣を読んでいる人には最後の最後ニヤッとするシーンもあるので注目である。 最後の解説のおかげでだいぶ話自体も分かりやすいので皆さん是非注目していただきたい作品である。2015/01/25