内容説明
江戸の街を駆け、火と闘った男たちがいた。
おとっつあんは、みんなのために命を懸けて火事を退治しに行くんだ――。おのれの命とひきかえに町を守った深川・南組三之組の火消し頭徳太郎。幼いときからその背中を見て育った息子の銑太郎は、やがて一人前の火消しへと成長していく。炎の恐怖と闘い、火消しに体を張る男たちの誇り高い姿を描いた、山本一力の真骨頂。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コージー
14
一力さんの本を読むと、心のなかで襟を正し背筋がスッと伸びる自分を感じる。火消しのかしら銑太郎の真っ直ぐな生き方に、忘れてた大事なことを思い出させてもらった。2017/10/27
シュラフ
14
"江戸(東京)の街の物語"であり、かつ"男の生き様を教えてくれる物語"でもある。初めての山本一力であるが、期待以上の良い作品であった。江戸時代の火消しを主人公にした話である。前々から江戸の火消しはたいした消火道具も持たずに、どうやって火を消したのか、という疑問が氷解した。また、江戸時代の頃には幕府が盲人を手厚く保護していて、盲人の最高位の検校というのはとても偉かった、というのもはじめて知った。江戸のあれこれ満載である。薀蓄だけが良かったわけではない。火事退治のためなら命も捨てる火消しの心意気に感動する。2014/01/29
はにこ
8
火消し達の粗っぽくて格好よい姿が良かった。火消しのかしらとして父の背中を見せる徳太郎。その背中を追い続け、葛藤しながら成長していく銑太郎。江戸の街は本当に火事が多くてでもその度に何度も再生してきた街なんだなぁとしみじみ思った。2020/05/06
Nazolove
6
前半かなり火事関係ないやん!と思いながら読んでいったが後半になるにつれ火事がつきものみたいな物語だった。 火消が火を消しに行って亡くなるなんて皮肉だなぁ、と思った。 当時の消火の仕方は建物を壊して広げないようにするという考え方で、そりゃあ火事だからと言っても壊された身からしたら嫌だよなぁ、などと考えながら読んでいった。 火事と喧嘩は江戸の華、なんて(以前も同じようなこと書いたが)言う言葉があるように火事に対しても祭りみたいな掛け声、威勢のよさが描写されていて非常に面白い作品だった。2014/09/16
おばりん
4
子どもに寄っていく母親が多いと思うけれど、息子夫婦の仲の良さを見て亡くなった旦那様に早く会いたいと思うなんて 結婚してても時が経っても素敵な恋をしている感触。ちょっと憧れます♪ふふ2012/08/20
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