老人漂流社会

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老人漂流社会

  • ISBN:9784391143713

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内容説明

2013年1月に放送されて大反響を呼んだ「NHKスペシャル」の書籍化。病院や介護施設をたらい回され「死に場所」を持てない男性、自宅を失った高齢者の「終の住処」と化した三畳一間の宿泊所、自分も周りも気づかずホームレスになってしまった認知症の高齢者など、超高齢社会に住む我々が目を背けてはならない現実を徹底取材。自分の居場所を自分で選べずに「漂流」してしまう現状に警鐘を鳴らしつつ、「奇跡の共同住宅」という希望の光も示すノンフィクション。【「はじめに」より】この本では、番組では伝えきれなかった「自らの老後を、自らで選ぶ」ということの難しさと大切さについて、詳しく伝えようと試みている。(中略)自らの老後と向き合うとき、どうすれば「自分らしい“終の住処”」を見つけ出せるのか、現実的な目線で老後の選択肢を提示したい、と思ったためだ――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

107
『自らの老後を自らで選ぶ』選んでるはずだったのに・・ん十年前は想像もしなかった事。この本に書かれているケースは少数では無いと云う現状。他人事じゃ無い。せめて老いた母の事は看取りたいし、息子達に私と夫の事で心配はかけたくは無い。持ち家だから私はここで孤独死でも良いんだ。私の事はね。だが、何かが、どこかで間違ったの?この美しいと言われてる国・日本よ、日本人よ。これも又ただ長寿を目指した間違いの延長なのか?全てが社会保障とか医療制度とか『お金』の話が付いてくる現実。衣食住・・金持ちだけが生き残るのは侘しい。2016/01/29

nyaoko

76
金の切れ目が命の切れ目。時代劇じゃあるまいし!と思ったけれど、でも、近い将来、必ず自分もそうなると思う。出来る事なら無闇に長生きはしたくないし、動けなくなったら死にたいではなく、動ける内に身辺整理をして死にたいのが本音。でも、そうはいかないのが現実。頼るべきは身内でも、行政でもなく、金のみ。そんな老後しかないなんて、年を取るのがとてつもなく怖い。その心の不安は老人だけでなく中年、若年層にまで及んでいると思う。老人だけではない、全ての人達が明日にも来るかもしれない漂流社会。なんて恐ろしいんだろう。2016/01/07

miww

68
「歳をとることは罪なのか」番組の副題。これを読んでると本当にそう言いたくなります。一人暮らしの高齢者が病気をきっかけに入院。回復しても介護か必要になり自宅へ戻れず施設の漂流生活が始まる。低額で入所できる施設は3、4年待ちが当たり前、生活保護を受けてやっと費用を賄って入所する。そこも決して居心地のいい場所ではない。先に希望が持てません。自分の事が自分でできなくなった時に死ねる事を祈るばかりです。2016/01/21

シュラフ

41
日本の長寿は世界に誇るべきものと思っていたのだが、どうもそういう単純な話ではないようである。必ずしも長生き=幸福ではない。老いるということは自立できなくなること。その時に支援してくれる家族というものがなければ漂流生活がはじまる。ふつうに生活している人が家族の死・病気をきっかけに漂流していく。この本は老いることということの厳しい現実をわれわれに突きつける。社会全体として漂流老人をどう支援していくべきなのか残念ながらその解はない。個人として貯金をしてカネを貯め、健康なカラダづくりを行うことしか自衛策はない。2015/12/31

壱萬弐仟縁

41
高齢者人口は3000万人。 ピークでは3800万人まで膨れ上がる(16頁)。 3人に1人は年寄りから成る国家。 選択肢2つ提示され、自宅か、施設か(18頁)。 でいうと、いまのとこ、僕は自宅だな。 都内有料老人ホームは20万円。 どうも、集団生活は馴染めないのだよ。 深刻な高齢者の貧困化(42頁~)。 月3-7万円が殆どである。 圧倒的に不足する「特別擁護老人ホーム」(68頁~)。 全国42万人も待機している。 2014/04/29

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