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内容説明
著者・渡邉英徳氏は、「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」「沖縄平和学習アーカイブ」「東日本大震災アーカイブ」等、グーグルアースに証言や写真、動画等を載せたデジタルアーカイブを地元の人々との協働により制作、注目されています。肩書は情報アーキテクト。データを見やすくデザイン、貴重な記録を時空を超えて伝え「記憶のコミュニティ」をつくる―そんな仕事を通して現代におけるデータのあり方を語ります。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
35
干支もひと回り以上前の本書は、今や量子コンピュータの試作機の稼働や、手軽にAIを扱える今日では今更感もあるが、膨大なデータを紐づける事で、万人にアウトリーチできるようになる過程を、遡ることができる。情報構築と永久保存を意味する「アーカイブ」された情報を、人間が自在なアクセスを目指す当時の施策を紹介。グーグルアースをベースにテキスト、音声、映像等をリンクさせた発行時の成果を、旬な読書ではないので、初期コンピュータの開発史のような面白さを感じた。読後、当時数年で水没するぞと煽られたツバル諸島を調べてみた。2025/05/28
壱萬参仟縁
35
グーグルアースを使う。便利で無料のサービスを展開することによって、プライバシー感覚を変えていくところが、グーグルの怖いところ(22頁)。元旦にFacebook規約改訂のメイルが昨日受信されたので、これも同様に怖いが、友達を失いたくないので困る現況だ。ビッグデータと監視社会では、特定秘密保護法とリンクしているとすら思わざるを得ない。著者の関心は喪われていくものを未来に残すこと(81頁)。2014/12/21
佐島楓
26
講義を受ける上での予習。ネットの正の側面を映し出している。広島、長崎、震災と、忘れないため、人の生活に役立てるためのツールとしてのビッグデータ。どのような可能性がこれからの社会に存在するのか、考えてゆこうと思う。2014/09/08
izw
22
グーグルアースに様々な資料をマップして、人々の記憶をつたえるアーカイブを作り続けている著者渡邊氏は、情報アーキテクトと自称しています。確かに、情報を多元的に構築して、新たな世界を設計し建設していると言えます。渡邊氏が手がけた「ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト」「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」「沖縄平和学習アーカイブ」「東日本大震災アーカイブ」など、どれも世代を超えて記憶を伝えていってほしい作品です。2015/06/22
ニャンリッチ
15
多元的な情報やデータを媒介するグーグルのようなプラットフォーム企業が登場して、情報の質が良い意味で変わってきているんだな。「データ」というと、何か無機質なものをイメージしてしまうもの。だが、本来別々の場所に保管されている異質なデータ同士(例えば、画像データと位置情報と公文書とインタビュー情報)を一元的に表すと、「実相」や「体験」や「記憶」に近いログが出来上がる例を知った。その他「ビックデータ」「オープンデータ」「デジタルアーカイブ」について基礎的な知識がわかりやすく解説されていた。2016/02/29
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