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内容説明
著者・渡邉英徳氏は、「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」「沖縄平和学習アーカイブ」「東日本大震災アーカイブ」等、グーグルアースに証言や写真、動画等を載せたデジタルアーカイブを地元の人々との協働により制作、注目されています。肩書は情報アーキテクト。データを見やすくデザイン、貴重な記録を時空を超えて伝え「記憶のコミュニティ」をつくる―そんな仕事を通して現代におけるデータのあり方を語ります。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
33
グーグルアースを使う。便利で無料のサービスを展開することによって、プライバシー感覚を変えていくところが、グーグルの怖いところ(22頁)。元旦にFacebook規約改訂のメイルが昨日受信されたので、これも同様に怖いが、友達を失いたくないので困る現況だ。ビッグデータと監視社会では、特定秘密保護法とリンクしているとすら思わざるを得ない。著者の関心は喪われていくものを未来に残すこと(81頁)。2014/12/21
佐島楓
25
講義を受ける上での予習。ネットの正の側面を映し出している。広島、長崎、震災と、忘れないため、人の生活に役立てるためのツールとしてのビッグデータ。どのような可能性がこれからの社会に存在するのか、考えてゆこうと思う。2014/09/08
izw
21
グーグルアースに様々な資料をマップして、人々の記憶をつたえるアーカイブを作り続けている著者渡邊氏は、情報アーキテクトと自称しています。確かに、情報を多元的に構築して、新たな世界を設計し建設していると言えます。渡邊氏が手がけた「ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト」「ナガサキ・アーカイブ」「ヒロシマ・アーカイブ」「沖縄平和学習アーカイブ」「東日本大震災アーカイブ」など、どれも世代を超えて記憶を伝えていってほしい作品です。2015/06/22
よしよしニャンコ
14
多元的な情報やデータを媒介するグーグルのようなプラットフォーム企業が登場して、情報の質が良い意味で変わってきているんだな。「データ」というと、何か無機質なものをイメージしてしまうもの。だが、本来別々の場所に保管されている異質なデータ同士(例えば、画像データと位置情報と公文書とインタビュー情報)を一元的に表すと、「実相」や「体験」や「記憶」に近いログが出来上がる例を知った。その他「ビックデータ」「オープンデータ」「デジタルアーカイブ」について基礎的な知識がわかりやすく解説されていた。2016/02/29
はーごん
13
授業は取ったことないけど、同じ学部の教授の本なので読みました。グーグルアースで震災や原爆の被害等についてのデジタルアーカイブを作っている先生の、自伝的なビッグデータの解説書。一目で理解できるものっていうのが必要だということには納得です。今の大人のほとんどはネットが難しくて怖いものだと思っているようで、パッと見で理解できないと調べるのを諦める人が多いように思うので。早く院に行ってこういう、人のためになる研究がしたいなぁ……。2015/02/06