内容説明
〔第三回アガサ・クリスティー賞受賞作〕大学のゼミ仲間が冬の山荘に集まったとき、悲劇の幕が開く。たび重なる推理とどんでん返しの果てに、十五年の時を経て関係者たちが掴んだ驚くべき真実とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
93
「弥生を殺したのは俺だ」という出だしがすばらしく、時効成立二時間前の告白にぐいと引き込まれた。龍太の話の中で印象に残ったのは、信号待ちの弥生の横顔を様々なネオンが彩り、横断歩道上で手を握るとき黒い服に白い雪片が纏わりつく所だ。この場面があるため、直後に弥生の体の奥に雪の冷たさを感じる所が生きるし、殺害に用いるメチル水銀の白い粉が瓶の中でシャシャと音立てる描写もゾクッとさせる。この辺りは力量を感じたが、「魔性の女」という安易な言葉に寄りかかっているのは残念だった。トリックも偶然が重なり過ぎてすっきりしない。2014/04/04
ゆみきーにゃ
73
《図書館》全体的にう〜ん。あたしの勉強不足だろうけど難しい漢字が所々に出て来て読むのに苦戦したりと、とにかくう〜ん。。。2015/01/03
財布にジャック
63
ありがちなクローズドサークル物かとみくびってました。前半はそんな訳でちょっと退屈して斜め読みだったのが、後半の展開で一気に引き込まれました。久々にミステリーらしいミステリーと出合えて得した気分です。しかし、幾重にもどんでん返されたのは良いのですが、最後のどんでん返しだけは、どうにもこじつけっぽく感じてしまいました。でも、全体的には好印象です。2014/05/04
くろり - しろくろりちよ
58
第3回アガサ・クリスティー賞受賞作品、三沢陽一デビュー作。時効直前の殺人事件の真相を告白しに来た龍太。龍太の視点から、15年前日本法制史ゼミ生一行が雪に閉ざされた別荘で起こった殺人事件を追体験する。犯人の告白という倒叙形式で明らかになるはずだった事件はしかし、少しずつの歪から最後に驚愕の事実が明かされる。幾重にも張り巡らされた殺意と、舞台を整えた「指揮者」。毒殺という一点のみの凶器をここまで掘り下げる力に唸らされる。アガサ・クリスティー賞の真髄といえよう本格ミステリ。2014/03/02
papako
53
初読みの作家さん。面白かった。5人のうちの一人が毒殺された。その過去の毒殺を告白する一人。でも実は。。。殺されるひどい女の非道さ、殺意を抱く4人。動機は少し弱いかなぁと思ったら、そこを最後に強化する仕掛けが!とはいえ、告白から推理までは一気に読めたのですが、最後のこねくりまわされた理屈が少し蛇足かなと思いました。そこがないと動機の弱さの補強にならないのですが。でも読みやすく楽しめました。改題して正解だと思います。2014/08/10
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