内容説明
「苦難に遭っている人に、慰めとなれば」との思いで綴られた日記形式の愛と信仰のエッセイ集。
「一人一人の命は限りなく貴重なものである。私の難病など取るに足りないものと思うが、苦難に遭っている人に、本書がいくらかでも慰めとなれば幸いである」(「あとがき」)。足がしびれ、硬直するなど難病・パーキンソン病との闘いを基調に、しかしその中でも多くの喜びを見つけ、感謝する日々を日記形式で綴った愛と信仰のエッセイ集。
「三浦綾子電子全集」付録として、立松和平氏が編んだ「こころに響く日記」に収められた綾子氏の日記の一部を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
275
三浦さんの作品は『塩狩峠』しか読んでません(恥) 読友さんの紹介で『氷点』他本作を知りました。氷点や銃口を読む前に著者を少し知りたくて本作を読みました。パーキンソン病という、自身の未来に暗雲立ち込める告知に『神が命じ給うのであれば、主よ、お従いします』と、日記には微塵の不条理も載っていない。伝わってくるのはご主人の至上の愛と献身、友人の多さと著者の『ありがたし』と表する感謝の数々。難病に侵されながら書き上げた『母』や『銃口』読まずに死ねるか❗ちょっと嬉しかったのは灰谷健次郎さんから三浦さんへの手紙‼️🙇2019/08/29
真香@ゆるゆるペース
134
実家本。以前、パーキンソン病を患っていた身内がいた。原因不明で完治が難しく、何十年単位で緩やかに進行していく病気。自分はその身内のお世話をしていたわけではないので表面的なことしか知らなかったが、介護する方もされる方もどちらも想像以上に凄絶だと本書を読んで改めて感じた。厳しい病気にもかかわらず、強さと高潔さと周りへの感謝を持ち続けて闘病していた著者は、お会いしたことはないけど凛とした素敵な女性だったに違いない。パーキンソン病に限らず病気と闘っている人、介護に携わっている全ての人が勇気づけられる内容だと思う。2021/03/27
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
50
読み友さんのレビューで気になった1冊。本書は、三浦さんが1992年にパーキンソン病と診断されたあとの日々を綴った日記。手足のしびれや転倒、体重の減少など症状が進み、寝たきり状態になるかもしれない不安と闘いながらも講演会や執筆活動を精力的に行っている姿に心打たれる。信仰が大きな拠り所になっていることは間違いないが、周囲への感謝の心を忘れず、希望を持ち続けることも大きな力となっているように思う。『氷点』のような作品を次々と生み出したその裏側にはこんな大変な闘病生活が隠れていたことを初めて知った。2021/04/30
Toshi
5
パーキンソン病の日々が基調の日記抄。2016/12/18
epitaph3
4
220205/28冊目/パーキンソン病とともに歩む日々を描く。起伏の少ない筆致の中に、幸福、感謝、悲しみ、怒りがある。全体を通して、神に対する祈りが編み込まれている。人の日記を眺めるとはつまり、自身の生活への言葉の注入であり、振り返りを促す気持ちを高める。言葉との出会いの喜びよ。「楽しい人というものは、明るくて圧迫感を与えない。他者をおおらかに受け入れる。なかなか至り得ぬ境地なり。」(p235)私が目指す人物像に遭遇する。これも奇跡。読書の奇跡。大げさか。見たい言葉に注目するのは人の性か。2022/02/05
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