内容説明
「楽しみな新人が登場した」/朝日新聞(2009.1.4付)で大絶賛!
第2回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門ルルル賞受賞作!
ドラマッチックで練られたストーリーは読み応えたっぷり!
クーデターから一人逃れた王女の運命は!?壮大なクラシカルロマン開幕!
理工学に興味を持つ風変わりな王女クエルヴァ。ある夏の夜、家族と乗った船上でクーデターが起こる。ただ一人逃れた王女は、ルチアと名を変え、様々な助けを借りながら家族と国を救うためクーデターの真相に迫るが?
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
77
政治的状況や陰謀が入り乱れるのに、文章や構成が洗練されていてスッと頭に入る。ゆえに抜群のリーダビリティがあり、一気読み。各人物が簡潔ながらも立っているわ設定は使いこなすわ伏線が巧みだわ、デビュー作らしからぬ洒脱な仕上がり。ヒロインの造型は地味ではあるものの、理系で思慮深い性格ゆえに逆境を乗り越えていく様は、痛快。後半の二転三転する展開も読ませる。分量があればさらに膨らみが出たと思うが、文庫一冊で国を追われた王女が全てを奪還し、人間的成長を描ききった点を買う。上品なイラストも良し。著者の他作品も読もう。2016/06/23
にく
27
久々にライトノベルを読みました。著者のデビュー作である『ルチア』は、少女小説ながらクーデターを題材にした結構固いお話。でも少女小説らしく主人公の成長を主軸としていて、ほのか~なラブっぽさもあり、新人さんとしてはかなりの良作!『クラシカルロマン』シリーズとして出しているようなので、他の作品も読んでみようと思います。『ルチア』の登場人物がちらりと出てきたら嬉しいなぁ。個人的にはイロンデルがツボw2011/02/12
のいじぃ
18
読了。クーデターを起こされた王女の冒険と成長の物語。6年前の作品ですが、レーベルを再確認したほど、硬派な少女向け文学でした。国名から人名までカタカナが羅列したものは若干、苦手意識があるのですが、頭の中で整理しやすく読みやすかったです。文章もしっかりして、何よりルチアの成長が微笑ましく好感が持てました。反面、ブラック無糖に近いのでロマンスの意味を取り違えると肩透かしを喰らうかも知れません。流れでいけばアギラス、なのですかね。石据さんのイラストも素敵に物語を彩り、良い時間を過ごせました。ありがとうございます。2015/06/25
びっぐすとん
15
110円本。初読作家さん。『大人だって読みたい少女小説』で紹介。これだけイケメンが出てくるんだもの、姫を巡って三角どころか四角、五角関係の胸キュン、甘々なラブロマンスかと思いきや、真面目にお国の復興をめざしてクーデター首謀者をやっつけるお話で拍子抜けした。イケメンって書いてあるしイラストがイケメンだから分かるけど、人物の描写に情感が乏しくて、美男美女のオーラが伝わってこないのが残念。こんなに恋愛要素低くて、このレーベル的にはOKなの?ティーン小説は恋愛必須だと、ちょっとおばちゃん前のめりだったかも。2021/05/18
伶夜
12
最後までくじけなければ、必ず目的は達成できる(本文より)2017/12/01