内容説明
双子の姉と弟の、禁断の愛の行方は!?
旧家に生まれた双子の高二、右布子と左馬之助は最近ぎくしゃく。二人が所属する映画研究会での活動も楽しいものの…。「その想い」が何か自覚してしまった弟と自覚していない姉の、禁断の恋は熱く静かに動き出す!
※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
44
一卵性での男女の双子として産まれた右布子と左馬之助。自らの身体に文字を切りつけて連絡を取り合う場面では鳥肌がたちました。強烈な祖母と自分の意思を持たない母。母が哀れで、それに気付いて前を向き始めるまでの右布子には途中ハラハラさせられました。双子が愛し合うと、結末はこうせざるを得ないのかな。2017/11/17
エンブレムT
33
壁井ユカコさんが「ファンタジック」「ドラマチック」「ロマンチック」を合言葉にした少女向けルルル文庫で・・・いきなりルルル文庫の限界に挑戦しちゃったような作品でした(笑)ラブコメ展開が繰り広げられそうでいて、ラブコメ展開をしたら即!禁断モノに足を踏み入れてしまうという設定を背負った双子が主人公。“想い”を自覚出来ないまま弟に執着している姉と、姉に対する“想い”を自覚してしまった弟の恋の物語です。ストレートにハッピーにもアンハッピーにもしない、出来ない、確信犯的な曲者作家さんならではの物語になっておりました。2014/01/03
そのぼん
9
男女の双子の繰り広げるストーリー。いわゆるライトノベルの中では、比較的年齢が上の人でも読めるんじゃないかな、と思いました。面白かったです。2011/08/02
乙郎さん
9
ルルル文庫は初めて読んだのだけれど、ラノベで少女漫画をやるレーベルなのだろうか。小学館の少女漫画にはあまりいい印象はないけど、これは面白かった。寒村を舞台にした男女一卵性双生児の恋愛。と書くとあまりにもドロドロした話になりそうだけど、そこをうまく青春漫画的甘酸っぱさを取り入れて緩和していたと思う。願わくば隠れた名作として読み継がれることを。2009/07/24
ゆり
7
読み終えて、しばらくしてから、急にうるっときました…。切ない。左馬も右布子も切なすぎる…。読んでいて所々、痛くてたまらなかった。それでもちょっとかっこ悪くても楽しくきらきらしたごく当たり前の高校生の日常も確かにあるし、ラストにどこか清々しい希望を感じたのも良かったです。予想以上に好みなお話でした。2011/09/24