ガガガ文庫 時間商人 トキタと命の簒奪者たち3

著者名：水市恵【著】/カズアキ【イラスト】

小学館（2015/10発売）

• ISBN：9784094511413

内容説明

自殺名所の崖で出会った少女・美琴。死にに来たはずの僕は、先んじて飛び降りようとする美琴と話すうちに、寿命かお金を引き替えに不老不死を10年間だけ提供してくれるという時間商人との契約を考えはじめる……。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[呉藍]

トリックは同じだから初刊ほどのびっくりもないのだけど、飽きることなく読めるシリーズ。はてさて、今回の話はいろいろな意味でショッキングだった。時間商人という存在を極限まで使った人間。そんな人物によって人生を変えられてしまった人間。人はなんて……とちょっと物悲しくもなる。

2010/03/20

[kanon]

今回はずっしりと重たい話でした。天秤を自分の方に重きを置いた彼女が彼をどんな思いで生かし続けようとしていたのか・・・。彼女が自身に刃を向いた時、本当に安堵感いっぱいに感じられたのがどこか切ないです。

2012/01/14

[水雲]

今回の話はダークでした。でもこれはあり。命って…重いです。

[竹花 樒 - Shikimi Takehana]

天秤の意匠を支柱に水平を繋ぐ律法の価値軸から引き算によって傾いでいく命の”３”奪者たちのストーリー。今回もまた、流れる時間の艶めかしさが秀逸だった。思えば刑法によって定められる刑期も「時間」の代償によって支払われる。罪の対価を「時間」で支払うのならば、「時間」の対価が「時間」で支払われるのもこれまた然りなのだろう。対になる概念とともに縦軸の時間に吊り下げられた人々の対照的な生き様が物語に「傾き」のダイナミズムを生み出していた。これこそが僕がどうしようもなく「時間商人」に魅了される要因なのかもしれないな。

2009/07/08

[あるぱか]

４話でそれまでの話を１つに収束させる様は１巻の雰囲気。伏線の張り方および回収っぷり相変わらずいい。

2009/06/20