内容説明
日本初のドライ・クリーニング店「白洋舎」を創業した五十嵐健治の骨太な波乱に満ちた生涯を描く伝記小説。
家の事情で、幼いころ生母と別れ、養子となり、一攫千金を夢見て16歳で家を飛び出す五十嵐健治。さまざまな仕事に就いては、投げ出すという奔放を繰り返す中で、キリスト教に目覚める。紆余曲折を経て、三越百貨店の宮中係となり、そして、日本で初めてのドライ・クリーニング店「白洋舎」を創業した五十嵐健治の波乱に富み、しかし骨太な一生を、一人語りで綴った伝記小説。網羅的ではあるが、明治・大正・昭和の主要な出来事が紹介され、一種の近現代史にもなっている。
「三浦綾子電子全集」付録として、白洋舎発行の雑誌に寄稿した本書を書き終えた感想と、『氷点』の当選祝いに五十嵐健治氏から贈られた真珠のネックレス写真 を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
110
伝記なので、淡々としていると思いきや、著者がその生き様を直に見てきたようでもあり、魂が乗り移ったようでもある筆致で生き生きと描いていました。日本初のクリーニング店「白洋舎」の創業者・五十嵐健治の生涯の物語。キリスト教の深い信仰の中で様々なことに耐えつつ、希望を持って生きることの大切さを教えられました。どんな困難の中でも愛を忘れず、赦し、受け入れ、感謝を忘れないことで前に進める。壮絶な人生と信仰心による語りが心に響きます。2016/08/07
ソーダポップ
52
ドライクリーニング白洋舎の創業者、五十嵐健治氏の伝記的物語。80歳近くなった。氏が、過去を振り返って一人称で語りながら物語は進んでいきます。氏は、駆けて、駆けて、駆け通した一生でした。キリストを信じてからは苦しい走りではあったが、嬉しくて堪らないかのように駆けていった。本文の「辛ければ辛いほど、どのような形で神が助けてくださるかが、楽しみでならなかった。人間変わるものですな」と言ったセリフがとても印象に残りました。 2021/02/20
優希
50
再読です。白洋舎創業者・五十嵐健治の伝記物語。本人が語っているような臨場感があります。波乱万丈の道を歩んだ五十嵐がキリスト教に目覚めてから、クリーニング業で生業をたてようと決意するのが凄い覚悟だと思いました。白洋舎の原点はキリスト教なのですね。信仰から生まれるものがあるのだと改めて気づかされました。2022/03/17
ach¡
44
主人公の一人語りパティーンで白洋舎の創業者の生涯を描く/思い立ったが吉日とばかり即行動タイプの主人公に己が被りすぎてもはや他人とは思えぬ。ん?つーことは、もしかすると私も大成をなすんじゃまいか(´・_・`)うへへ♡と、この時点で人間がちゃうな。。でも今回はことさら神を信じてみたくなったぞ。たとえ神の存在は信じきれなくても祈り続けることに意味があるのかもしらん。信仰を持つことで人間が円熟し、心の平安が訪れるなら私も喜んで祈りたい&正しくありたい!と強く想うのだが、結局信仰の厳しさに畏れ慄き即行動できてねぃw2016/09/03
しおり
21
再読。クリーニング会社の白洋舎を創業した五十嵐健治さんの生涯を三浦綾子さんが描いた物語。複雑な生まれ環境は辛く、若い頃の無謀な行動はとても褒められたものではなかったけれど、五十嵐さんのもつ運は人との縁を繋ぎ、キリスト教へと彼を導く。その後は幾多の困難も神の教えのもと、乗り越えて天寿を全うなさった。信じる者は救われる、本当にそんな感じでした。信仰は心の支えです。2026/06/29




