内容説明
ほんとうの自分とは何か、存在するのか、どういうものなのか。生き方に悩む主人公が日記体で綴る、青春小説。
理想にもえる22歳の看護婦・西原千香子は、同じ病院に勤める独身の青年医師・杉井田に心を引かれ、関係を持ってしまう。しかし杉井田は患者の母親と出奔してしまった。ほんとうの生き方と何か、ほんとうの自分とは何か。ひたむきに生きる千香子が日記に綴る、青春の記録。
「三浦綾子電子全集」付録として、著者が新刊展望に書いたエッセイ「ヒロイン千香子について」を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Smileえっちゃん
55
古い本の整理の為の再読。忘れるくらい前に読んで、純真な看護師の千香子に共感できたのに、改めて読むと、時代を感じました。今だったら、冷静に何してるの、騙されているのにと・・23歳の看護師千香子の日記の形で物語が進んでいく。青年医師に、心惹かれ、交際が始まる。純真な気持ちを言葉巧みにあやつり、他の女性とも関係を持ち、最後、結婚相手の母親といなくなる。そんな姿を、患者の広川が静かに見守る。平安と安らぎを与えてくれたのに・・・最後に大切なものが何かを気付くが遅かった。青春は一度きり、帰り来ぬ風ですね。 2020/03/17
駒
8
旅行先の隠れ家みたいな可愛い古書店で発見。三浦綾子さん初めて。千香子の恋愛にめっちゃ引き込まれた。これは若い女の子に読んでほしい。千香子があまりにも危なっかしい。でも彼女を批判出来ない。苦しいほどの切実さ。作品の中で広川さんの存在がとても大きかった。あぁ、こう終わるのか。日記形式で読みやすいし短い作品だが、心にぐっと残った。三浦綾子さんもっと読んでみたくなった。2022/12/12
わむう
7
22歳の看護婦、千香子が綴る日記体という小説。おもしろかった!誰が嘘をついているのか知りたくて一気読みしてしまいました。 氷点や塩狩峠も好きだけど、これも好きだな。2015/05/17
Emma
6
[⭐︎オススメ⭐︎]千香子の日記による話。後半の展開、特に栗巻夫人と杉井田にはかなり驚いた。三浦綾子にしては現代風(?)で、純粋な千香子とワルイ医者杉井田、栗巻親子にハラハラしながら読んだ。その先までもっと長く読みたかった!芙佐ちゃんのさっぱり感が好き。民子さんは無神経で男遊びばかりだけどなんか憎めない。この日記がもし柳子さん目線で書かれていたら、と考える。これもまた広川さんをめぐっていろいろ思うところがあるだろうな。面白そう!2019/11/30
大根院
5
★4。若き日の、男に対する処女的幻想、思い込みや過ちの描写に感嘆するばかり。良くも悪くも、登場人物それぞれが人間臭く魅力がある。2017/09/08
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