内容説明
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向井理主演で話題の映画『僕たちは世界を変えることができない。But,we wanna build a school in Cambodia.』(2011年9月23日より全国ロードショー)原作者が書いたカンボジアのエイズの実態に迫ったドキュメント・ストーリー。――毎年1万人以上の人間がエイズで死亡しているカンボジア。HIV母子感染によって15歳まで生きられない子どもたち。親のHIV治療費を稼ぐため毎晩1回5ドルで好きでもない男とセックスする少女。政府により強制移住させられたHIV村、末期のエイズ患者が集まるホスピスなど……。前作『僕セカ』でも描かれたエイズ病棟での患者との出会いと別れをきっかけに、カンボジアのエイズに関するドキュメンタリー映画『それでも運命にイエスという。』を製作した著者が、その活動の一部始終を綴った魂の記録。日本で全国上映会を行うまでの様子も写真入りで収録。熱い衝動に突き動かされて始めたものの、何度も「無理なんじゃないか?」と不安になり、逃げ出しそうにもなった。しかしさまざまな思いが交錯し、見て見ぬふりだけはしたくなかったという心の葛藤などもがありのままに綴られている。読んだ人の“心が動く”を超えて“体が動く”きっかけに、という願いが込められた真実の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
19
結論を見越した上での行動ではない。もがき、苦しむ。時に、現実逃避。日常多くの人が経験するような、著者の心の葛藤が印象深い。偏見・先入観が、未だ根強いテーマ。1人1人が本質を理解すること。人間の尊厳。同情ではなく、人としてのつらさに、少しでも理解・共感することだと思う。字面以上に、何かを感じさせられたような気がする・・・。2013/03/09
まあ
11
再読。ずば抜けた行動力に、ピュアなところ。同世代の人で尊敬出来る人がいるっていいな。コロナが無かったら今頃、全国講演に廻ってる頃でした。いつかお話を聞いてみたい。2020/05/18
まあ
6
僕たちは世界を変えることが出来ないの続編。大学2年生の時にカンボジアで小学校を建てた葉田君が、大学5年生になり再びカンボジアへ。カンボジアのHIV感染者に会い、話を聞き、ドキュメンタリー映画を作り、少しでもHIVの偏見を無くそうと今回も葉田君が翻弄します。映画製作に素人の大学生の葉田君達だけで部屋に篭り、睡眠時間を削り、何百時間もある映像を延々と試行錯誤して編集して映画製作していく様は、銀杏BOYZがメンバーだけで8年間、作っては壊してを繰り返し完成したアルバム、光の中に立っていてねを彷彿させます2017/07/30
まっちゃ
4
HIVの患者に対して自分が何が出来るか、の為にひたすら行動する著者は凄い。ドキュメンタリーの共同監督の小川さんの言葉の、頭が「世界を変えることができない」って言いながら、体が「世界を必死に変えようとしている」とか凄く良いな。やらない理由はいっぱいあるけど、イコールやらないという選択肢にならないんだよね、きっと。2012/11/12
Rosmarin
2
一生懸命が伝わってくる。 彼はみんなに知ってもらいたいと言うピュアな思いで一見無謀に見える行動をとるが、熱意はみんなに伝わる。 そして共感してもらえる。 私も葉田さんの本を読んで僅かながらも寄付をした。 この本を何気なく手に取らなければ遠い国の知らない世界で興味も持たなかったかもしれない。 私1人の出来る事なんてたかが知れている。 だけど葉田さんの本を読んだり、映画を観たりした私と同じような人がたくさん揃えば助かる命がある。 救われる心がある。 素晴らしい行動力。2021/03/01