内容説明
この小説は、敗戦後の占領期、朝鮮戦争下の講和と安保が締結された激動の時代を背景に、2歳の著者が、5年をかけて当時の大学生たちの魂の彷徨と愛、闘いを描いた。三人の主人公のひとりは、優柔不断な性格で弟の恋人を愛して彼を悲劇へ追いやり、自分の立身出世のために活動家仲間を裏切る。もうひとりは、医学生で、回復不可能なほどに傷ついた日々を送っている。あとひとりは、自らの出自を〈朝鮮人〉と宣言し、血のメーデーに参加して牢獄へとつながれる。著者の青春の墓碑銘。
目次
序章
第一章 一九五一年十二月 その1
第二章 一九五一年十二月 その2
第三章 一九五二年一月・二月
第四章 一九五二年三月
第五章 一九五二年四月
第六章 一九五二年五月
後記