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内容説明
アメリカ留学から戻ってきたら故郷の自然は荒れ果てていた。優等生の少女が始めた植樹運動が、民主・平和活動となって世界に広がるまでを描く。(巻末エッセイ・柳田邦男)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
marua
4
植民地支配の時代にアフリカに生まれた黒人女性が世界を変えるに至るまでに壮絶な迫害と差別があったというのに、採録されている写真は全部笑顔。それがもうこの人の偉大さを物語ってる。印象的だったのは「ネーション・オブ・イスラム」の集会に参加したくだり。そこで感じた価値観の多様性を受け入れられたことが、本当の彼女のエポックだったのじゃないかと思う。木を植え土を慈しむことをライフワークとしてきたけど、闘争を歌で乗り越えたというのがとても素晴らしい。「蛇のようにしたたかに、鳩のようにやさしくね!」2016/03/20
ふみ
4
この本を読んで、自分の意見をはっきり言うことが恥ずかしいと感じる風潮って、実はすごく怖いことなのではと思いました。政府からの圧力に屈せず、木を植え続けることで戦ったワンガリ。自分にできることを精一杯やる。他人から見れば、なんの役にも立たないような小さなことの積み重ねが、ワンガリを強くしていったのだと思います。おかしいと思ったことに流されていかないために、自分にできることをしっかり考えて動かなければと感じました。2015/07/08
ybhkr
1
モッタイナイを世界に広めたいアフリカ人という認識しかなかったけど、彼女もまた、高学歴な女性が理系の、そして政治の道に進んだことで男の嫉妬や陰湿ながら嫌がらせ(しかも国規模の。正義もなにもない)を受けながらも信念に生きた。命を常に狙われ、理不尽な仕打ちや暴力に耐え、母国のために立ち上がった彼女に立ちはだかるのは男社会。レイチェル・カーソンもマリ・キュリーも市川房枝もインディラ・ガンディーも男の嫉妬に苦労し、その中で偉業を成し遂げてきた。男の嫉妬がなければ、世界はもっとよくなっていたかもしれない。2016/11/11
アンリ
1
木を植える活動でノーベル平和賞を授与された女性の伝記。 いわゆる先進国が入ってきたことで生活が大きく変わり戦いが始まり…アフリカのそういう状況を本で読むのは初めてで非常に感銘を受けた。この土地の人たちはおそらく自分たちの分かる範囲で幸せに暮らしていた(もちろん知らないがゆえの明らかな不幸もあるはずだが)。それを強制的に変更させたことへの罪を考えさせられた。 また彼女は離婚しているのだが、元夫は同国の他の男と同様に自分より成功した妻が嫌になったんだそうだ。そういう妻になるのは明白だったのに、だ。許すまじ。2016/04/16
黒とかげ
0
大した女性だ…。試練に次ぐ試練なのに、まるでそれが何でもない事の様にさえ思われる。少しだけでもこの人の強さを真似したいな。2018/07/22




