内容説明
ここ蝦蟇倉(がまくら)市では、不可能犯罪がよく起こる。少女は親友の犯罪を隠すために死体を処理し、レストランでは男女がワイングラスを傾けつつ友人の死を推理する。密室の謎を捜査する大学サークルの面々、互いに秘密を抱えて無人の球場で会話する高校生、常連客と推理談義を交わす中国茶房の女主人、少年が引き起こしたとされる陰惨な事件を追うルポライター。この街で起こる事件には、いつも出会いと別れが待っている。架空の都市を舞台に同世代の人気作家が競演する、「街」の物語。〈がまくら市事件〉その2。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
141
米澤、越谷さん以外は初読み。シェアード・ワールドというのが面白くて『晴れた日は謎を追って』に続いて読んだが、残念ながら全作品が粒ぞろいだとは言えなかった。秋月:ホワイダニット。読み終えても?が。桜坂:異色の作品だが、読者がついてこれないのでは。村崎:真知博士って大したことないってこと? 越谷:越谷さんがダークな作品とは意外だった。秋月:これもやはり、真知博士って大したことないってこと? 米澤:一番良かった。太刀洗万智が探偵役のシリーズを読んでみたい。2冊読んでみて、やはりメジャーな作家の作品が面白い。2015/03/29
takaC
124
なんと、真知博士再登場とは!!じゃっかん食傷気味だがぜひsもっとやって。 / さくら炎上(北山猛邦) / 毒入りローストビーフ事件(桜坂洋) / 密室の本(村崎友) / 観客席からの眺め(越谷オサム) / 消えた左腕事件(秋月涼介) / ナイフを失われた思い出の中に(米澤穂信) /2017/07/25
mocha
96
アンソロジー「がまくら市事件」2作目。1作目に続き玉石混淆という印象。米澤穂信さんの『ナイフを失われた思い出の中に』がやはり一番良かった。数年前に読んだ『さよなら妖精』の後日譚で、前作をよく憶えていなかったが『王とサーカス』を読む前のおさらいになった。会話がすべて英語を翻訳したという設定も、端正な雰囲気を作っていると思う。一連のがまくら市事件のエピソードをうまくあしらってあり、最後の締めにふさわしい作品だった。2015/11/01
hnzwd
84
がまくら市を舞台とした人気作家達による競作集。こちらもいい作品が多め。北山猛邦さんは相変わらずいい感じに嫌な気持ちにさせてくれます。越谷オサムさんは新境地。ミステリよりな話も全然いけますねー!米澤さんは、さよなら妖精の後日談。。傑作。シリーズ化されてるので、発売を正座して待つのみ。2015/02/10
hirune
82
蝦蟇倉市で起こる不可能犯罪を綴るアンソロジー第2弾。回答が曖昧だったり 事情が生臭く後味が悪い事件もあるけど、あまり暗い気持ちにならないのは蝦蟇倉市というミステリーのファンタジー世界だから被害者は被害者としてだけ存在する世界だからかな。桜坂洋さんの作品は容疑者が全員犯人とも全員無実ともとれる不思議な話。秋月涼介さんは、なんと蝦蟇倉市におっそろしい殺し屋を潜入させちゃうし(・・;)米澤穂信さんの作品はちょっとテイストが違ったけど流石の物語の厚みを感じて好きでした。2017/03/26