内容説明
正直に生きれば生きるほど、堕(お)ちていく――。松下絵里子(28歳)。スポーツ用品メーカー勤務。結婚も決まり、公私ともに充実の日々が始まるも……「優等生の悪女」。佐藤美鶴(34歳)。小さなサンドイッチ店で働く主婦。元デパートの店員。献身的な夫がいながら過去の男に……「懲りない悪女」。加賀美さとみ(53歳)。セレクトショップ「トップシークレット」社長。欲望にどこまでも忠実な女性起業家。多少の犠牲は……「華麗なる悪女」。向井沙也香(21歳)。セレクトショップ「トップシークレット」社員。さとみの下で働く上昇志向の強い新入社員。職場には絵里子の婚約者がいて……「純情そうな悪女」。――彼と同じ未来を見ていたはずなのに。――彼女には僕の知らない別の顔がある。人は星、人生は夜空。かかわり合う人々が点となり、ひとつの星座を形づくる。ままならない男と女の関係を、それぞれの視点で描いためくるめく恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しのだ@書店員復帰を目指し中!
31
共感をできる部分が一切ない、恋愛小説だった。悪女というか、小悪魔的というか…。どちらにしろ、女性陣の駆け引きにウンザリしてしまった。私自身の性別が女だからそう感じてしまうのだろうか。どちらにしてもあまり好感がもてる作品ではなかった。楽しみにしていた作品だけに残念な気持ちでいっぱいである。2015/01/07
ひろ
24
登場人物があちらこちらで繋がっている複雑なストーリー。ややこしいと思いながら読み進めるが、女も男も身勝手で、感情移入できるところもないし、嫌悪感を抱くところや鼻に付くところが多く途中リタイア。2017/06/11
風眠
24
近くにいる人のことって、案外ちゃんと見えていないのかもしれない。その人の良さとか、その人に自分が求めているものは何なのかとか。だからと言って自分に正直に生きようとすれば、誰かを傷つけてしまったりもするし、自分も傷つく。全部失うと分かっていても、どうしようもなく求めてしまう心。甘美で破壊的な恋という欲望。この物語には悪人はいない。男も女も視点を変えれば皆、天使にも悪魔にもなりうる。あとがきには「善良な悪女」と書かれているが、言い得ていると思う。自分にも心当たりがあるような無いような、そんなそわそわした読後。2015/04/05
はな
23
図書館本。女性が主役の作品だからと思い手に取ったら、不倫物だった。しかも世間はどれだけ狭いのかと思えるほど、近い距離でつながりがある。出世のため、家族のためだからと不倫に走る神経がわからない私には共感ができなかった。星が見えるマンションはいいなぁって思いました。でも、都会なら思ったほどは見えないよね。2015/02/22
こうちゃ
23
優等生の悪女・懲りない悪女・華麗なる悪女・純情そうな悪女。四人の悪女と、そのパートナーや関係する男たち、そして隠れ悪女?らによる長辺恋愛小説。1月~12月までを、ひと月ごとに星座と絡め、ままならない男と女の関係を、それぞれの視点で描く。もしも相関図を書いたら、ぐちゃぐちゃになるだろうと思うのに、修羅場がないのが不思議。一見爽やかともとれるエンディングだけど、この先に起きるであろう悪女たちの丁々発止が目に浮かぶ。2015/01/17




