内容説明
日本人はなぜ、妖怪に惹かれるのか――。妖怪とは自然への畏怖や闇に抱く恐怖が表現された、日本人の心理や生活の記憶を留める民俗資料である。柳田國男以来の妖怪研究の伝統をふまえ、文献に現れた七百四十余の妖怪を都道府県別に整理・分類、種別や出現場所、特徴等を紹介した、本邦初の本格的妖怪事典。妖怪を愛するすべての人に贈る必携の一冊。
目次
序
北海道
東 北
関 東
中 部
近 畿
中 国
四 国
九 州
沖 縄
原本あとがき
学術文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
46
妖怪が県別にまとめられた一冊。記述があっさりしすぎていて、これを読んだだけだとよくわからないものも多い。それでも伝わってくるのは、各地方の風土と闇の豊かさ。東北には東北の、九州には九州の、それぞれの妖怪はその風土と切り離されては存在できないという事がよくわかる。東北には雪に関する妖怪が出たり、九州には豚の妖怪が出たり。どの県にも必ずいる河童を例にとると、地方によって名前が違ったり、赤かったり、山に登って別の妖怪になったりと豊穣極まる。読んでいるうちに風土やそこの生活について考えさせられてしまった。2015/01/29
今夜は眠れない
5
妖怪の絵が知りたくて。2015/11/06
大臣ぐサン
4
後輩からいただいたすげー本。鳥山石燕を始めとした妖怪画や怪談本に登場する妖怪を排除し、徹底的に民俗学的資料からのみ抽出した妖怪事典。柳田國男の妖怪談義の発展版と言ったところ。永らく絶版だったなんてもったいない。グッジョブ、講談社学術文庫!2015/02/04
りょうけん
3
<既> うーむこの本いつかどこかで読んだぞ! この文庫本としての発行が2014年らしいが,もし同じ文庫版で読んだのなら読メやブクログの最近の厳しい既読チェック技からは逃れられないだろうから,それ以前に単行本で読んだのであろう。 前回も同じように我が出身県の徳島県から読み始めてその後四国四県を読んで今まで短期も含めて住んいでたことのある神奈川/大阪/北海道/滋賀や今住んでいる愛知県へと読み進めていった覚えがかかなり鮮明にある。2020/10/31
白いハエ
1
事典というだけあって内容は端的で網羅的である。すべて出典がついているので、もっと知りたければあたれる。都道府県別にまとめられているので、妖怪分布の地域差を見ることもできる(例えば座敷わらしは東北限定)。性質上、紙で資料的につまみ読みするべきで、電書で通読するのは体力がいる。案外に人に害する妖怪は多くない気がした。河童が圧倒的に多く、他はせせこましいような怪異も多い。私が気に入った妖怪は「ナカニシ 人の姓。仲西。晩方、那覇と泊の間にある塩田温泉の潮渡橋付近で『仲西ヘーイ』と呼ぶと出てくる」(沖縄県)。2023/03/03
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